フエダイ類の栄養価と効用

フエダイ/笛鯛/ふえだい シブダイ

 フエダイ類に含まれる主な有効成分とその効用や、カロリーをはじめビタミン類などの栄養成分量や、アミノ酸の量を農務省(USDA)国立栄養データベースをもとに紹介します。

●フエダイ類に含まれる主な有効成分とその働き

◆良質なたんぱく源

 フエダイ類は必須アミノ酸がバランスよく含まれた良質のたんぱく源です。また肉類に比べ脂質が少なく、消化しやすいため効率よく摂取することができます。

 タンパク質は身体を作る元となる栄養素ですが、それだけでなく免疫にも抗体としての重要な働きをします。神経など、体内の情報の伝達にも深く関わる物質でもあります。

◆多価不飽和脂肪酸が含まれている

 フエダイ類は白身の魚なので、青魚ほどではありませんが体にいいと言われる多価不飽和脂肪酸が多く含まれています。これには中性脂肪や悪玉コレステロール(LDL)を減らし、血液をサラサラにする働きがあると言われています。

 フエダイ類に含まれている脂肪酸の量は米国農務省(USDA)国立栄養データベースによると飽和脂肪酸0.285g、一価不飽和脂肪酸0.251g、多価不飽和脂肪酸0.459g、そのうち、EPAは0.051g、DHAは0.26gとなっています。

◆ビタミン類

 フエダイ類には野菜や果物からは摂取できないビタミンB12や、カルシウムやリンの吸収を助けるとともに、骨の形成を促す働きがビタミンD(キノコ類には多い)が含まれています。

◆甘み旨味を感じさせるアミノ酸が豊富

 フエダイ類は旨味や甘みとして感じるグリシンやアラニン、旨味と感じるグルタミン酸がたっぷり含まれています。だから美味しい魚として人気があるのでしょう。

●フエダイ類に含まれる各種栄養成分ごとの成分量

ナミフエダイのカルパッチョ風マリネ- Lutjanus rivulatus -,Blubberlip snapper

◆生のフエダイ類100gあたりの成分(Fish, snapper, mixed species, raw)

 七訂日本食品標準成分表には記載がなかったので、米国農務省(USDA)国立栄養データベース(released in April 2018)に記載されている、生のフエダイ類数種を混合したものに含まれていた成分量を紹介します。

状態 エネルギー 水分 たんぱく質 脂質 炭水化物 灰分 飽和脂肪酸 不飽和脂肪酸 コレステロール 食物繊維
100
kcal
76.87
g
20.51
g
1.34
g
0
g
1.31
g
0.285
g
0.710
g
37
mg
0
g
ビタミン
状態 レチノール D E B1 B2 ナイアシン B6 B12 コリン パントテン酸 C
32
μg
10.2
μg
0.96
mg
0.046
mg
0.003
mg
0.284
mg
0.4
mg
3
μg
65
mg
0.75
mg
1.6
mg
無機質
状態 ナトリウム カリウム カルシウム マグネシウム リン
64
mg
417
mg
32
mg
32
mg
198
mg
0.18
mg

米国農務省(USDA)国立栄養データベース(released in April 2018)より

●生のフエダイ類100gあたりに含まれるアミノ酸

 日本食品標準成分表準拠 アミノ酸成分表2010には記載がなく、こちらも米国農務省(USDA)国立栄養データベース(released in April 2018)に記載されている 数種のフエダイ類を合わせたものに含まれているアミノ酸の一覧です。

アミノ酸(mg/100g中)
イソロイシン 945 チロシン 692 アラニン 1240
ロイシン 1667 スレオニン 899 アスパラギン酸 2100
リジン 1883 トリプトファン 230 グルタミン酸 3061
メチオニン 607 バリン 1056 グリシン 984
シスチン 220 ヒスチジン 604 プロリン 725
フェニルアラニン 801 アルギニン 1227 セリン 837

●フエダイ属の仲間

 フエダイ属の魚はほぼどれも美味しい食用魚です。当サイトで紹介しているフエダイ属の魚はこちらからご覧ください。それぞれの特徴や旬、美味しい食べ方などを紹介しています。



 
 

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