センネンダイ:生態や特徴と産地や旬

センネンダイ,千年鯛,Lutjanus sebae

●センネンダイの生態や特徴

◆センネンダイとは

分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > スズキ亜目 > フエダイ科 > フエダイ属(日本海洋データセンターより)

学名:Lutjanus sebae (Cuvier 1816)

英名:Emperor red snapper

和名:せんねんだい / 千年鯛

別名:サンバナー(沖縄)

 センネンダイはフエダイ科フエダイ属の一種で、食味が良いことで知られるフエダイ類の中でも、大型になることや獲れる数が少ないこと、赤い外見の良さなどもあり、知る人ぞ知る超高級魚である。

 一説には、千年に一度くらいしか獲れないというのが名前の由来とまで言われるが、そんなことは無く、少ないながら年間通して漁獲はあり、活け物も流通している。

 学名の属名の属名部分"Lutjanus"はマレー地方でフエダイ属の魚を「Ikan Lutjang」と呼ぶのに因み、種小名”sebae”は『脂肪』を意味するラテン語「sebum」が語源とされる。脂がのった魚という事だろうか。

 英名では”Emperor red snapper”と呼ばれる。訳すと『赤い皇帝フエダイ』となる。美しく、そして貫禄のあるセンネンダイの姿にぴったりだと思う。沖縄での地方名は「サンバナー」だが、これは体側に走る3本の赤い帯に因む。

◆センネンダイの生態

 センネンダイは暖海性の魚で、国内では太平洋に面した南日本沿岸でわずかにみられ、成魚は鹿児島から南西諸島にかけて多い。

 幼魚は沿岸の浅い岩礁やサンゴ礁域、マングローブ域で過ごし、時にはウニの棘に潜むなど共生もする。成長と共に水深180m以浅の深場へ移動し、エビやカニなどの甲殻類をはじめ、小魚や頭足類などを捕食する。

 「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は小笠原諸島、和歌山県田辺、高知県須崎、愛媛県愛南、兵庫県香住、島根県浜田(幼魚)、屋久島、琉球列島となっており、海外においては台湾、広東省、海南島、広西省、西沙群島、南沙群島、インドー太平洋(ニューギニア島北岸以東を除く)、ハワイ諸島で確認され、インドー西太平洋の熱帯海域に広く分布している。

◆センネンダイの特徴

 センネンダイは標準体長70cmほどで 、大きい物になると全長1mにもなるフエダイ属の中では大型種である。

 体形は側扁し、体高が高く背が盛り上がった形になっている。

センネンダイ,千年鯛,Lutjanus sebae
 鹿児島県魚市場の(株)タカスイさんから仕入れた全長約63cm 4.8kgのセンネンダイ

 成魚の体色はやや淡い赤色に、背ビレ基部から吻の先に向けて1本、体側中央の上から下に向けて1本、そして体側後方に上から尾ビレ下部に向けて1本の計3本赤い帯が入っているのが特徴。老成魚になると故伸びが不明瞭になっているものも出てくる。この3本の帯は「小」の字にも見える。

 幼魚は体色が白っぽく、帯は黒っぽい赤褐色である。

 背ビレは11棘15~17軟条、臀ビレ3棘10軟条からなり、背ビレ軟条及び尻ビレ軟条は、背ビレは第7か8軟条の先端を頂点とし、臀ビレは第4または5軟条の先端を頂点とする三角形になっており、それぞれ後方上下に向けて突き出るような形になっている。臀ビレ軟条は臀ビレ基底長より長く伸びている。

●センネンダイの主な産地と旬

センネンダイ,千年鯛,Lutjanus sebae
 鹿児島の市場に並ぶ14.6キロもある大きなセンネンダイ(2021/6)(株)タカスイ 久保和博氏提供

◆主な産地と漁獲量

 センネンダイは主に熱帯海域に生息する暖海性の魚で、国内での産地は沖縄県をはじめ鹿児島県、そして小笠原諸島である。

 漁獲量は少なく、まとまって漁獲されることはほとんどない。

◆センネンダイの漁獲時期と旬

 暖海性の魚という事もあってか、季節にあまり関係なく通年漁獲はあるようだ。旬は不明。

 フエダイ類は年間通して味に大きなブレは無いように思う。本種もその類ではないだろうか。

旬のカレンダー
旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
センネンダイ                        

< 出 典 >

 ※「日本産魚類全種の学名」中坊徹次・平嶋義宏著 東海大出版部 

 ※「日本産魚類検索全種の同定第三版」中坊徹次編 東海大出版会

 ※「食材魚貝大百科」平凡社

 ※ Lutjanus sebae (Cuvier 1816) FishBase


 
 

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