●レッド キューとは

 「レッドキュー」は青森県五所川原市のオリジナル品種で、どれも果肉が赤い「御所川原」「栄紅」と共に産地では”赤〜いりんご”と呼ばれ、五所川原市でしか作られていない希少なリンゴの一つです。

◆レッド キューの来歴

 「レッドキュー」は青森県五所川原市において果肉が赤いりんご品種である「御所川原」に、香が良く、甘味酸味のバランスが良く食味がいい「金星」(「ゴールデンデリシャス」×「国光」)の花粉を交配し、得られた実生から選抜育成されたリンゴ品種で、「御所川原」よりも食味が良く生食にも向き、果皮色が赤いりんごとなっています。

果肉が赤いリンゴ レッド キュー

 2015年に種苗法に基づく登録出願、2018年に品種登録されています。

 五所川原市では「御所川原」を種子親として、本種の他、「王林」を掛け合わせた「栄紅」も育成しています。これらはいずれも「御所川原」の特性を受け継ぎ果肉が赤いリンゴとなっており、五所川原市では「赤〜いりんご」の愛称で親しまれています。

果肉も赤いリンゴ 栄紅とレッドキュー、御所川原

 これら3種の「赤〜いりんご」は五所川原市が育成者権を持っていますが、2016年以降、苗木の育成や管理を株式会社「アグリコミュニケーションズ津軽」に委託しています。

◆レッド キューの特徴

 「レッドキュー」の果実は果重170~280g程のやや小ぶりのリンゴで、果形は長円錐形で果柄がやや長く、果皮色は全体に濃い紫紅に着色します。表皮は比較的さらっとしていてワックス成分は少なめです。

果肉が赤いリンゴ レッド キュー

 最大の特徴は果肉の色で、「御所川原」の特性を受け継ぎ赤い色をしています。色味は「御所川原」よりやや濃く紫紅色で、表皮側がムラなく着色しています。そのため皮をむいた時に綺麗な赤い果肉が現れます。(レッド キューの断面画像一覧参照)

 また、酸味が強く加工に向く「御所川原」に比べ、酸味がやや控えめで渋みもなく、糖度は13.3~14.5度あり、生のままかじっても甘く美味しいリンゴとなっています。

果肉が赤いリンゴ レッド キューの断面

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果実の大きさは中、果実の形は長円錐形、果実の王冠の強弱は無又は弱、果実のがくの開閉は中、

 果皮のろう質の多少は無又は少、果面の粗滑は中、果皮の地色は黄白、果皮を被う色の面積は大、果皮を被う色は紫紅、果皮を被う色の濃淡は濃、果皮を被う色の型は全面着色、

 梗あ周辺のさびの量は中、果実側面のさびの量は中、がくあ周辺のさびの量は無又は小、果点の数は中、果点の大きさは中、スカーフスキンの多少は多、

 果柄の長さは長、果柄の太さは細、梗あの深さは浅、梗あの幅は狭、がくあの深さは浅、がくあの幅は狭、

果肉が赤いリンゴ レッド キューの梗あとがくあ

 果肉の硬さは硬、果肉の色は帯赤、果実の甘味は中、果実の酸味はやや高、果実の蜜の多少は無又は極少、

 果心の形は円錐形、開花始期は中、収穫期は中である。

 出願品種「レッド キュー」は、対照品種「御所川原」と比較して、果実の大きさが中であること、果皮を被う色が紫紅であること、果皮を被う色の型が全面着色であること等で区別性が認められる。

 対照品種「レッドフィールド」と比較して、果実の形が長円錐形であること、果実の角張りの強弱が無又は弱であること、果柄の長さが長であること、果実の甘味が中であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみたレッド キューの食味

 撮影した「レッドキュー」は10月21日に届いた14個/2kg箱で、果重は1175.5~268gと「御所川原」寄りは大きいですがやや小ぶりのりんごで、果皮色は全面に濃紫紅に着色していました。

スライスしたレッド キュー,果肉が赤いリンゴ 果肉が赤いリンゴ レッド キューの糖度

 切ってみると果肉はとても綺麗な赤色で、特に皮をむいた時にそれを感じます。内側は部分的に白い部分があり、赤道切りすると白い部分が花のような文様に見えますが、串切りにすると色付きがまだらな感じに見えます。

 食べてみると、食感は硬めで、確かに酸味は「御所川原」ほど強くはなく、「紅玉」などのように酸味が強めのりんごといった感じでとても美味しかったです。

 試しに、スライスしたものを60℃で数時間フードドライヤーにかけ、リンゴチップにしてみました。すると写真のように果肉の赤い色が綺麗に残り、甘酸っぱく美味しいリンゴチップが出来ました。

果肉が赤いリンゴ レッド キューのドライフルーツ チップ

 そのまま食べても美味しいですが、スイーツのトッピングに使ったり、紅茶に加えてアップルティーにするのもお勧めです。また、さいの目に切ってドライフルーツにしたものをシリアルと一緒に食べるのも美味しいです。

●レッド キューの主な産地と旬

果肉が赤いリンゴ レッド キュー

◆主な産地と生産量

 「レッドキュー」は五所川原市以外に苗木の持ち出しは禁止されており、ここでしか作られていません。そのため、生産者が限られ、産地以外に出荷される量は極わずかしかない希少なりんごとなっています。

 現在、本種の栽培管理は五所川原市から株式会社アグリコミュニケーションズ津軽に委託されています。

◆レッド キューの収穫時期と旬

 アグリコミュニケーションズ津軽の紹介によると「レッドキュー」は9月上旬~中旬に収穫する早生種となっています。ただ、収穫時期はその年の天候等によって前後し、ここ数年を見るとい9月下旬以降が多いようです。

 色々な産直サイトやふるさと納税などを見ると発送期間は9月下旬から11月下旬までとなっているものが多く見受けられます。撮影したものが届いたのも10月21日でした。食べ頃の旬は10月上旬から下旬頃ではないでしょうか。

品種 9月 10月 11月 12月
レッド キュー                        

< 出 典 >

 ※ 「赤~いりんご」株式会社アグリコミュニケーションズ津軽

 ※ 「登録番号26585 レッド キュー」 農林水産省品種登録データベース

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果肉が赤いリンゴの種類

 普通のリンゴは果肉が黄色から乳白色ですが、中まで赤いリンゴもあります。皮が赤く中まで赤いタイプと、皮は黄色くて中の果肉が赤いタイプなどがあります。