●シルクスイートとは

 シルクスイートは2012年に種苗の販売が始まって以来、紅はるかと共にしっとり系サツマイモの代表的な品種として人気の品種で、焼き芋にした時に甘く、絹のようにしっとり滑らかな舌触りになるのが特徴です。

◆シルクスイートの来歴

 シルクスイートはカネコ種苗で開発されたサツマイモで、2012年から種苗の販売が開始された品種です。「春こがね」に「紅まさり」を交配させて生まれた実生を育成したとされ、2013年に品種名「HE306」として種苗法に基づく登録出願、2018年に品種登録されています。「シルクスイート」という名称はカネコ種苗が2011年に登録した本種の登録商標です。

シルクスイート サツマイモ

 デビューして以来、焼き芋にしたときの滑らかな食感と甘さで話題になり、人気が高い品種となっています。

◆シルクスイートの特徴

 外観は紡錘形で表皮の色や果肉の色などべにはるかと同じような感じで濃い紅色の皮に、中がクリーム色をしています。収穫してすぐはやや粉質で少しホクホクした感じに焼きあがるようですが、貯蔵することで粘質へと変わり甘くなります。

シルクスイートの断面

 十分に貯蔵されたものは水分が多く絹のようにしっとり滑らかな舌触りに焼き上がり、甘い焼き芋になるとされています。

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 塊根の形は卵形、塊根の長さ/幅は太、塊根の数は多、塊根の大きさは中、

 塊根の表皮の主な色は紫赤、塊根の表皮の二次色は無、

 塊根の肉の主な色は黄、塊根の目の深さは浅である。

 出願品種「HE306」は、対照品種「べにまさり」と比較して、葉身の蜜腺のアントシアニンの着色が無又は極弱であること等で区別性が認められる。

 対照品種「べにはるか」と比較して、葉身の蜜腺のアントシアニンの着色が無又は極弱であること、塊根の形が卵形であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

◆シルクスイートを焼いてみた

 2021年に入手した千葉県産のシルクスイートを焼いてみました。

シルクスイートの焼き芋

 焼きあがった芋は期待したほどしっとりとはしていませんでしたが、シルクスイートらしいきめの細かい舌触りと濃厚な甘さが味わえました。

 2014年に入手した大分県産の物を、実際に180度のオーブンで90分程焼いてみました。

シルクスイートの焼き芋

 焼き上がりは写真の通り、水分がにじみ出てくるような感じで、しっとりとした食感に焼きあがっています。

強烈な甘さと言う訳ではなく、結構甘いのですが後口に残らない品の良い甘さに感じられました。

●シルクスイートの産地とブランド

◆シルクスイートの主な産地

 シルクスイートは一般的なサツマイモが栽培できるところであればどこでも栽培する事ができます。主な産地は千葉県や茨城県、九州各地など、全国的に広く栽培されています。

◆茨城県の「旭甘十郎(あさひかんじゅうろう)」

 「旭甘十郎」は茨城県のJA茨城旭村のブランドサツマイモで、デンプン量の多い「紅はるか」・「シルクスイート」を選定し、定温貯蔵によって1か月以上熟成することにより、デンプン質がゆっくりと糖化され、ねっとりとした甘い食感のイモとなっているのがが特徴。

◆熊本県の「ゴールドスイート」

 熊本県阿蘇郡西原村の高田農場が作るシルクスイートのブランドです。

 『濃厚で芳醇な甘さを持ちながら、口当たりがよく、しっとりホクホクとした食感』が特徴となっています。

◆新潟県の「しるきーも」

 新潟市北区がサツマイモの特産化を進めるために作った、北区産のシルクスイートのブランドで、2016年に公募により名称が決められました。水はけの良い土地柄を生かし砂丘畑で育てられ、絹のような滑らかな舌ざわりと、しっとりとした食感、スイーツのよう甘さが特徴となっています。

◆シルクスイートの収穫時期と旬

 収穫時期は9月下旬頃から10月にかけてで、その後約1か月間ほど寝かせてから出荷されます。食べ頃の旬は11月頃から2月頃となります。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
シルクスイート