アーティチョーク / カルチョーフィ:特徴や産地と旬

アーティチョーク,カルチョーフィ,Artichoke,carciofi

●アーティチョークの分類や特徴

◆アーティチョークとは

<分類>

分類:キク目>キク科>アザミ亜科>アザミ連>チョウセンアザミ属

学名:Cynara cardunculus var. scolymus L.

<名称>

和名:チョウセンアザミ(朝鮮薊)

英名:Artichoke(アーティチョーク)

仏名:artichaut(アルティショーまたはアーティショー)

伊名:複数形でcarciofi(カルチョーフィまたはカルチョフィ)

<概要>

 アーティチョークはキク科チョウセンアザミ属の多年草で、標準和名は「チョウセンアザミ」といいます。食用となるのは主に蕾(つぼみ)で、野菜として市場で扱われる際は一般に英名の「アーティチョーク」と呼ばれることが多いです。

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 フランス料理やイタリア料理など地中海沿岸のヨーロッパでは春から初夏にかけて出回る季節感のある比較的身近な野菜として親しまれており、一般の家庭でも好んで食べられています。

 日本には江戸時代にオランダから持ち込まれ栽培された記録があるようですが、食材としては広まらなかったようです。

◆アーティチョークの特徴

 一言でアーティチョークと言っても、実は様々なタイプがあります。大雑把に分けると以下の3つのタイプがあり、それぞれに大きくなるものと小ぶりのものがあります。

<緑色の丸いタイプ>

 グリーングローブ(米)をはじめ、Vert de Laon(仏)、Castel(仏)、Blanca deTudela(スペイン)など。

 アメリカで一般的なグリーングローブや、フランスのヴェールデラオンなど全体に緑色のタイプ。

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<紫色の丸いタイプ>

 Violet de Provence(仏)やRomanesco(仏)、C3系(伊)など。

 フランスをはじめイタリア、スペインなど多くの国で作られている、苞片(ガクのような部分)全体あるいは部分的に紫色のもので、丸い物から縦長のものまであり、苞片の形も幅広いタイプから細長いタイプがある。

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<棘が鋭いタイプ>

 Spinoso di Sardegna(伊)、Criolla Globe(ペルー)など。

 イタリアのサルディーニャ地方で多く作られているもので、苞片(ガクのような部分)の先端に鋭く顕著な棘が付いている。また、葉や茎にも棘が沢山あるのが特徴。

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 アーティチョークはアザミの仲間ですが、草丈は大きい物だと2mを越え、葉も大きくなります。食用となる蕾の大きさは8~15cmほどですが、ボール型からやや縦長の楕円形、扁平なタイプなど品種によって違いがあります。

 アーティチョークはキク科の植物なので、花が咲いた状態とは実は一つの花という訳ではなく、総苞に包まれた蕾が開いて、中から紫色の無数の細長い花が咲いた状態の事を言います。アーティチョークの場合、まるで総苞が花びらのようで、咲いた時に出てくる紫色の部分が雄シベ雌シベのようにも見えますね。

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 アーティチョークは主に蕾を食用としますが、その可食部はブロッコリーなどのように全部食べられるわけではなく、苞片と呼ばれるガクのような部分の付け根とハートと呼ばれる花芯部、それに花托近くの茎の芯の部分だけで歩留まりが悪は良くないです。

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 食感や味は芋のようなカリフラワーの軸のような・・・ゆり根のようなと言った感じですが、独特の風味があります。

●アーティチョークの主な産地と旬

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◆アーティチョークの主な産地と生産量

 アーティチョークはヨーロッパでは身近な食材ですが、日本ではまだまだ知られていなくて、国内で生産されているのはごく限られた畑だけの様です。現在出荷されているのは、千葉県をはじめ、大阪府、茨城県、神奈川県、群馬県などからわずかな量が出荷されています。

 各地で個々の農家さんが栽培にチャレンジはされているようですが、アーティチョークはとても大きくなるため栽培するにはそれなりに広い圃場が必要です。しかも、アーティチョークは多年草で、数年間に渡り収穫はできるのはいいのですが、収穫できるのは5月から6月にかけての限られた期間しかなく、その畑での1年間の収益をその期間の売上だけで賄わなければならず簡単ではありません。また、一般には浸透していない食材なので、売り先が飲食店か花屋さんしか見込めないため断念される方も多いようです。

 旬の食材百科として取材させていただいた千葉県のタケイファームさんの様子を動画で紹介していますのでご覧ください。

◆アーティチョークの収穫時期と旬

 アーティチョークはまだまだ輸入されるものが多く、産地を変えながらほぼ通年流通しています。イタリア産は10月頃から翌6月頃までのようです。

 国内でも少し生産されており、4月頃から~7月頃まで出回り、食べ頃の旬の時期は5月から6月頃となります。

旬のカレンダー
品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
アーティチョーク                        
輸入物                        

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