美月®(みずき):来歴や特徴と産地や旬

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 「美月」は「ゆうぞら」の苗木から発見された「ゆうぞら」よりも大玉で収穫時期が遅く、「ゆうぞら」と同じく食味が良い晩生種としてイシドウが苗木を販売する桃です。

●美月®(みずき)とは

◆美月の来歴

 「美月」は「ゆうぞら」の苗木の中から発見された、果実が大きく収穫期が遅い系統とされる株式会社イシドウのオリジナル品種で、種苗法に基づく品種登録はされておらず、「美月®」という名称が2000(平成12)年に登録出願、翌2001(平成13)年に商標登録されています。

 イシドウのカタログによると増殖しながら固定性を確認したとあります。

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◆美月の特徴

 「美月」の果実は果重350gほどと「ゆうぞら」より大きく、収穫時期が5日~7日遅い以外は「ゆうぞら」に似て、果皮の着色がよく、肉質は溶質で食味が良い桃です。

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 株式会社イシドウのカタログには以下の通り記載されています。

『-----

 果実は大きく350g位で果形は短楕円形、

 果実は着色良く全面紅色に着色する。

 果肉は白色で核の周囲に紅を生ずる。

 肉質は緻密で硬く多汁、食味は大変良好である。

 日持性が良く、収穫前の落果が少ない。

 裂果・核割れはない。ゆうぞらの血統を引継ぐ、優良な晩生種である。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみた美月の食味

 撮影試食した「美月」は8月11日に購入した和歌山県産で、果重250gほどの「美月」としては小さい物でした。

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 果皮は全体に淡く着色し、部分的に濃い赤色の部分もありました。甘い香りが出ていて十分に熟していることがうかがえました。

 切ってみると果肉は既に柔らかくなっており、皮も手で綺麗に剥くことができるほどでした。

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 食べてみると、果肉の舌触りはとても滑らかで、歯を使わずとも口の中で甘い果汁と共に崩れ溶ける感じでした。

 糖度を計ってみると13.8度あり、食べた時の甘さが裏付けられました。ただ、後口に渋みが残ったのが残念です。この渋みはおそらく本種の特徴ではなく、栽培環境などによるものだと思われます。

●美月®(みずき)の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 「美月」の栽培面積や収穫量は農林水産省の令和元年産特産果樹生産動態等調査には記録がなく不明です。

 今回購入したものは和歌山県産でしたが、もともと「ゆうぞら」の主要産地である福島県や山形県で多く作られていると思われます。

◆美月の収穫時期と旬

 「美月」の収穫時期は山形で「ゆうぞら」より5日~7日遅い9月上旬頃となっています。

品種 7月 8月 9月 10月
美月                        

< 出 典 >

 ※ 「美月R MIZUKI」株式会社イシドウ

 ※ 「登録番号 第4508847号 美月」 特許情報プラットフォーム 特許庁

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