さくらんぼ/サクランボ/チェリー:旬の時期と主な産地や品種

さくらんぼ 佐藤錦/月山錦/アメリカンチェリー

 サクランボ/さくらんぼ/チェリーの概要や主な品種と、旬の時期と主な産地、選び方と保存方法、食べ方と栄養価 種類と特徴などを紹介します。

●サクランボの分類と特徴

◆サクランボとは

分類:バラ目 > バラ科 > サクラ属 > サクラ亜属

学名:(主に)Cerasus avium

英名:Cherry 仏名:Ceries

和名:おうとう/桜桃、さくらんぼ

別名:実桜(ミザクラ)、西洋実桜(セイヨウミザクラ)

 サクランボは桜の木になる実なのですが、一般に観賞されるソメイヨシノやヒカンザクラなどとはまた違う品種の木で、、主にセイヨウミザクラ やスミミザクラなどの種類になります。 セイヨウミザクラが日本に入ってきたのは明治時代で、北海道に移植されたものが広まり東北などで発展したようです。

月山錦と佐藤錦、アメリカンチェリー(ビング)

 名前のサクランボは「桜の子=坊」で「さくらのぼう」が訛りで「さくらんぼう」と言うようになったとされています。桜が付ける桃といういみから「桜桃(おうとう)」とも呼ばれ、政府の標準成分表には「おうとう」として記載されています。

●サクランボとチェリー

 サクランボは英語でチェリーなのですが、一般的にサクランボと言えば国産のものをイメージしませんか?そしてチェリーと言えばアメリカンチェリーを指す事が多いですね。また、植物学上ではいずれもサクランボとは言わず、「桜桃(おうとう)」と言います。

●高級果実のサクランボ「赤い宝石」

 サクランボは見た目が非常に愛らしく、甘味酸味の調和もあり、女性のハートをぐっと掴んでいます。それにもかかわらず、苺のように栽培は簡単ではなく、栽培できる地方も限られ、国内で作られている量は非常に少ないので、とても高価な果物となっています。

佐藤錦(さとうにしき)

 さらに今では温室栽培がすすみ、季節外れの1月初旬に出荷されるものまであります。こういったものは旬とは全く関係なく、希少価値として30粒程の一箱が何万円もしたりします。まさに「赤い宝石」ですね。

■さくらんぼの主な品種

 一般にサクランボとして店頭に並ぶものはほとんどセイヨウミザクラ(西洋実桜)の仲間です。主な物をあげておきます。

 各品種ごとの詳細ページへは「~のページへ →」から。また、各品種の写真をクリックするとその品種の画像一覧ページが開きます。

●佐藤錦(さとうにしき)

佐藤錦(さとうにしき)

 佐藤錦は「ナポレオン」と「黄玉」の交雑種といわれており、「赤いルビー」と呼ばれ、日本を代表する品種です。その生産量も国内ではダントツに多く知名度も高い品種です。

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●高砂(たかさご)

高砂(たかさご)

 高砂はロックポート・ビガロや伊達錦とも呼ばれています。佐藤錦より1~2週間早く収穫され、さくらんぼの旬初めに店頭に並びます。

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●豊錦(ゆたかにしき)

豊錦(ゆたかにしき)

 豊錦(ゆたかにしき)は山梨県で発見された偶発種とされる早生の品種です。果肉が柔らかく、酸味が少ないので甘さが強く感じられるのが特徴です。

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●紅秀峰(べにしゆうほう)

紅秀峰(べにしゆうほう)

 紅秀峰(べにしゆうほう)は「佐藤錦」と「天香錦」の交雑種です。

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●月山錦(がっさんにしき)

月山錦/がっさんにしき<黄色いさくらんぼ/yellow cherry

 珍しい黄色いさくらんぼです。

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●南陽(なんよう)

南陽(なんよう)

 「南陽(なんよう)」は「ナポレオン」の交雑種。果実はナポレオンよりも一回り大きく、ハート形をたてに潰したような形をしています。

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●ナポレオン

ナポレオン・チェリー

 「ナポレオン」はその名前からイメージできるようにヨーロッパで人気がある品種です。ナポレオン・ビガロやロイヤル・アンとも呼ばれています。佐藤錦を初め、いくつもの優良品種の親になっています。

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●香夏錦(こうかにしき)

香夏錦(こうかにしき)

 「香夏錦」は早生種で、収穫時期は福島県県や山形県では5月下旬頃から6月いっぱい位となっています。一方、長野県ではハウス栽培が行われ、一足早く、3月下旬頃から収穫が始まり5月中旬頃まで続くようです。

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●山形美人

山形美人

 「山形美人」は佐藤錦の枝変わりとされ、佐藤錦と同じくらいの大きさや形ですが、その表皮の色が明らかに赤みが強いという特徴をもっています。

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●紅てまり

紅てまり

 「紅てまり」は山形県が育成した品種で、登録時、両親はともに不明とされていますが、「ビック」と「佐藤錦」ではないかと推定されています。

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●紅さやか

紅さやか

 「紅さやか」は山形県が育成した品種で、大きさは5~7gで早生種の中では大きく、果皮の色は朱紅色で、熟すと紫黒色に色付き、果肉も赤いサクランボです。味的には、「佐藤錦」より酸味は強いが適度な甘みがありバランスが良い味わいです。

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●紅ゆたか

紅ゆたか

 「紅ゆたか」は山形県農業総合センター農業技術試験場において、「ビック」に「C-21-7(「ビング」×「黄玉」)」を交配育成された桜桃品種です。大玉で酸味が少なく甘くジューシーな味わいが特徴です。

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●甲斐ルビー/甲斐オウ果6

甲斐ルビー/甲斐オウ果6

 「甲斐ルビー」は山梨県が「紅てまり」と「豊錦」を交配し育成したオリジナル品種「甲斐オウ果6」の商標で、極早生で着色良く大玉で食味も優れるサクランボです。

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●やまがた紅王/山形C12号

やまがた紅王/山形C12号

 「やまがた紅王」は山形県が「紅秀峰」に、「レーニア」と「紅さやか」の交配で得られた系統「C-47-70」の花粉を交配し、得られた実生から選抜育成された大粒で果肉がしっかりとして輸送性が高く食味のいい桜桃(さくらんぼ)の新品種です。「やまがた紅王」はその登録商標で、2022年にプレデビュー、2023年から本格的な出荷が始まります。

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●輸入されているアメリカンチェリー

輸入されているアメリカンチェリー

 一般的に輸入されているサクランボの事を総称してアメリカンチェリーと呼んでいますが、実際には全てアメリカからと言う訳ではありません。また、品種も早生種のツラーレやブルックス、それにアメリカンチェリーの代表的なビングの他、国産物とよく似たレイニアなどがあります。


■さくらんぼの主な産地と収穫量

●さくらんぼは山形

さくらんぼの主な産地と収穫量

 国内の主な産地はダントツで山形県で、年にもよりますが全国の約76%程を生産しています。2位以下は年によって入れ替わりが多く、北海道や山梨、青森などが頑張っています。

●世界では

 世界に目をやると、最も沢山生産しているのはトルコで、世界の総量の約3割を作っているようです。続いてアメリカや中国となっています。

■さくらんぼの収穫期と旬

●さくらんぼは収穫時が食べ頃

 サクランボは追熟しない果物なので、一番美味しいタイミングで収穫されます。ハウス物などもあり、早く出荷されるものもありますが、一般的に最も多い佐藤錦が出回る時期はちょうど梅雨の時期で、5月後半から6月にかけてが旬となります。

 品種にもより、紅秀峰や南陽などは少し遅めの7月初旬頃が旬になります。

旬のカレンダー 4月 5月 6月 7月 8月
香夏錦                        
高砂                              
佐藤錦                              
やまがた紅王                              
紅てまり                              
南陽(なんよう)                              
ナポレオン                              
紅秀峰                              
月山錦                              
旬のカレンダー 4月 5月 6月 7月 8月
アメリカ産                              

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