賀茂茄子/かもなす<ナスの品種
●賀茂なすとは
◆京の伝統野菜
賀茂なすは京都の北区上賀茂で古くから作られてきた丸なすの一種で、「京の伝統野菜」の一つに認定されています。肉質は硬くしまっており甘味があってとても美味しいく、「ナスの女王」と言われています。
京都では味噌田楽やしぎ焼などにされる事が多いですが、焼き物だけではなく、煮物や揚げ物などでも美味しい料理があります
◆栽培の苦労
賀茂なすは風で葉が触れるだけで傷が入ってしまいやすく、かん水や排水等のタイミングがずれるとを間違える表面の色艶がボケてしまいます。さらに葉が大きく、その陰になった部分は果色が薄くなってしまうため摘葉が欠かせないことなど、栽培には非常に手間がかかります。
上の写真のものも正規の賀茂なすですが、表皮の色がくすんでいるのがわかります。
◆賀茂なすの産地
現在主な産地は京都府亀岡市で、JA京都のホームページを見ると、平成18年度の時点でJA京都京野菜部会亀岡支部亀岡賀茂なす部会は生産者数28戸、栽培面積約150アール(すべて露地栽培)、の出荷量は約110トンだそうです。
◆京賀茂なすー上賀茂特産野菜研究会
賀茂なすの発祥の地、京都市北区上賀茂地区のJA京都市上賀茂支部にも「上賀茂特産野菜研究会」という生産者団体があります。京賀茂野菜生産者のホームページによると、『上賀茂神社の境内で採取した種を代々受け継ぎ、初収穫した賀茂なすは神社に奉納し、主に京都の老舗料亭などに出荷しています。』と紹介されており、まさに伝承され続けられてきた「賀茂なす」です。
市場には一定基準を満たしたものが「京賀茂なす」として出荷されていおり、紹介にもある通り、老舗料亭をはじめ、味や品質にこだわる料理人に高い評価を受けています。
◆賀茂なすの特徴
賀茂なすは一つ400~500gほどの大きさで、綺麗な球形をしている物が多いです。果肉は緻密で固くしまり、歯ごたえの良いのが特長で、加熱調理しても崩れにくく、それでいて食べるとなめらか煮崩れ、味わいは深くコクがあり、まさに「ナスの女王」です。
◆賀茂なすの収穫時期と旬
賀茂なすはほとんどが露地栽培されているので、出回る時期も限られています。京都での露地物の収穫時期は6月中旬頃から10月中旬頃となっていますが、一部ハウス半促成栽培されたものが5月頃から出始めます。
●美味しい賀茂なすの食べ方
◆調理のポイント
色止めするためには、油でさっと揚げてから使うと美しい紫色に仕上がります。あくが強いので、切ったらすぐに水に浸して下さい。また、果肉がぎゅっと締まっているため、一般的なナスと比べ油の吸収が少なく、揚げ物にしてもあっさりと仕上がります。
食べ方や料理に関しては一般的な丸ナスの食べ方のページに賀茂なすの料理例も紹介しているのでそちらもご覧ください。
◆田楽
定番はなすの田楽です。厚めに輪切りにし、両面を焼いて田楽味噌を乗せていただきます。
◆漬物
浅漬けにしても美味しいです。
◆賀茂なすを使った料理をレシピサイトで探す
主な料理レシピサイトの賀茂なすを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。
クックパッド | レシピブログ | 楽天レシピ |