●夢しずくとは

 「夢しずく」は山梨県が「ちよひめ」と「八幡白鳳」の交配から育成した大玉で食味に優れた7月上中旬に収穫される早生品種です。山梨県のオリジナル品種として主に山梨県で作られています。

◆夢しずくの来歴

夢しずく 桃

 「夢しずく」は山梨県果樹試験場において1990(平成2)年に、極早生種で食味、着色の優れた「ちよひめ」に、7月中旬に収穫できる「八幡白鳳」を交雑し、得られた実生から選抜育成された大玉で食味に優れた早生品種で、2001(平成13)年に種苗法に基づく登録出願、2004(平成16)年に品種登録されています。

◆夢しずくの特徴

夢しずく 桃

 「夢しずく」の果実は280~300gほどと早生品種としては大玉になり、果形は扁円形で玉揃いも良いようです。撮影したものは特選品の大玉で450~480gありました。

 果皮色は淡黄色の地にやや濃く着色し、果皮は比較的剥きやすい。

夢しずく 桃

 果肉は乳白色に紅が混じる傾向があり、肉質は蜜で繊維は少なく溶質で果汁も多い。糖度も平均で13~15%と高いです。ただ、その年の気候などによっては渋みが出ることがあるようです。

夢しずくの断面と丸ママの合成 桃

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果実の外観は扁円、果頂部の形は凹、凹みは浅、梗あの深さは深、広さは中、赤道部の縫合線の深さはやや深、果頂部の縫合線の深さは中、果実の大きさは大、

 果皮の地色は緑黄、果皮の着色の多少は中、濃さはやや濃、形は条~ぼかし、果面の毛じの有無は有である。

 切った直後の果肉の色は白、果肉内の着色は少、核周囲の着色は無、

 果肉の粗密は密、果肉繊維の多少は少、果皮の剥離性は易、肉質は溶質、果汁の多少は多、甘味はやや多、酸味及び渋味は微、苦味は無、香気は多である。

 核と果肉の粘離は粘核、核の形は短楕円、大きさは大、色はやや淡褐、核面の粗滑は粗である。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみた夢しずくの食味

 撮影した「夢しずく」は山梨県の雨宮ファームから取り寄せた「特選夢しずく2kg(5玉入り)」7,980円で、一玉が450~480gもある大きな桃でした。

夢しずく 桃 夢しずく 桃

 半分に切ってみると果肉に紅がかなり混じった感じで、核の周りは着色していません。

 4分の1に切って皮を手で剥いてみると、半分くらいまでは綺麗に剥けました。

 そして食べてみると・・・なんという甘さ、早生品種とは思えない芳醇な甘さと優しく溶ける果肉に感動しました。計った糖度は14.1~18.0%でした。これは価値があります。

●夢しずくの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 夢しずくは山梨県のオリジナル品種で、主な産地は山梨県です。2020(令和2)年産特産果樹生産動態等調査によると、夢しずくの栽培面積は山梨県の22.1haのみとなっています。

 苗木は一般に販売されており、山梨県以外でも栽培することができます。栽培に関しては花粉が無い品種のため人工受粉による結実確保が必要となること、また、無袋栽培では、果点や微裂果が発生しやすいため、有袋栽培を基本とするなど、手間がかかる品種です。

◆夢しずくの収穫時期と旬

 夢しずくは山梨県においては「日川白鳳」より一週間程度遅く、「白鳳」より10日ほど早い早生品種となっており、収穫時期は7月上旬から中旬にかけてです。

品種 6月 7月 8月 9月
夢しずく                        

< 出 典 >

 ※ 「早生で食味に優れたモモ新品種「夢しずく」」山梨果樹試験場研究成果情報 平成15年度

 ※ 「登録番号12299 夢しずく」 農林水産省品種登録データベース

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