夏雄美(なつゆうび):来歴や特徴と産地や旬

夏雄美(なつゆうび),桃,モモ,もも

●夏雄美とは

◆夏雄美の来歴

 「夏雄美(なつゆうび)」は山梨県笛吹市御坂町の鈴木隆雄氏が「暁星」の枝変わりを発見し、育成した大玉の早生種です。

 2010年に種苗法に基づき登録の申請が出され、2012年に品種登録されています。

夏雄美(なつゆうび),桃,モモ,もも

◆夏雄美の特徴

 「夏雄美(なつゆうび)」の果実は200~300gで「暁星」より大きく、果実の形は扁円形で、果頂部は深くはないですがくぼんだ形になっています。縫合線はやや強く現れる傾向があります。

 果皮は着色しやすく、無袋の場合全体に赤く色付きます。

 果肉は乳白色で種の周り赤くなりにくく、赤くなってもわずかです。肉質は繊維質で、追熟前は硬く、熟すと柔らかくなり果汁が多く食味が良い桃です。糖度は中となっています。

夏雄美(なつゆうび)の断面,桃,モモ,もも

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果実の大きさは大、果実の形は扁円形、果頂部の形は広浅凹、果実の対称性は対称、縫合線の強弱はやや強、梗あの幅は中、

 果実の地色は緑白、果実の着色の型はぼかし状、果実の着色面積は大、果実の毛じの粗密は中、果皮の厚さは中、果皮の付着性は中、

 果肉の硬さはかなり硬、果肉の地色は乳白、果肉のアントシアニン着色の強弱は弱、核の周辺のアントシアニン着色の強弱は無又は極弱、果肉の肉質は繊維質、果実の甘味は中、

 核の大きさはやや小、核の横面の形は倒卵形、核の褐色の濃淡は中、核の表面の紋様は点・条、核割れの多少はやや高、核と果肉の粘離の有無は有、核と果肉の粘離の強弱は強、収穫期はかなり早である。 

 出願品種「夏雄美」は、対照品種「ちよひめ」と比較して、果実の大きさが大であること、核の横面の形が倒卵形であること等で区別性が認められる。

 対照品種「日川白鳳」と比較して、果頂部の形が広浅凹であること、核の横面の形が倒卵形であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみた夏雄美の食味

 撮影したものは和歌山県紀の川市の直売所で6月下旬に購入したものです。

夏雄美(なつゆうび)の果肉,桃,モモ,もも

 果皮は全体にぼかし状に色付いており、桃の甘い香りも立っていました。

 縫合線から包丁を入れると、種の部分に抵抗感なく入っていき綺麗に半分に切れました。いわゆる核割れ果です。

 種を取り除き、串切りにしてから皮をめくると、手で綺麗にむくことが出来ました。果肉は綺麗な乳白色で、食べると硬そうに見えていたのですがとても柔らかくジューシーで、さっぱりとした甘みが口に広がりました。糖度は11度で、甘味的には少し物足りなさを感じますが、食感はとても良かったです。

●夏雄美の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 「夏雄美(なつゆうび)」は栽培している農園が少ないようで、農林水産省の平成30年産特産果樹生産動態等調査には記載がありませんでした。

 ネットでの販売などをみてみると福島県をはじめ山形県や山口県など各地でわずかに栽培されているようです。

◆夏雄美の収穫時期と旬

 「夏雄美(なつゆうび)」の収穫時期は日川白鳳とほぼ同時期となっており、山梨県や和歌山県では6月下旬ごろ、東北地方では7月下旬頃となっています。

旬のカレンダー

夏雄美 6月 7月 8月 9月
中間地                        
東北地方                        

< 出 典 >

 ※ 「夏雄美」株式会社イシドウホームページ

 ※ 「県南部における早生モモ「夏雄美」「夢しずく」「夢あさま」「美郷」の品種特性」秋田県 令和元年度果樹茶業試験研究成績

 ※ 品種登録データベース 農林水産省ホームページ

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