アマナツ(カワノナツダイダイ/川野夏橙) 選び方と保存方法や食べ方

甘夏みかん(アマナツ)と紅あまなつ

■アマナツと紅あまなつの違い

 「あまなつ」と「紅あまなつ」は売っている時期も重なる期間が長く、店頭でどちらを買うか迷ってしまう事もあるのではないでしょうか。「あまなつ」と「紅あまなつ」、どう違うのか比べてみましょう。

●外観の違い

 まずは外観の違いを見てみましょう。果実の大きさはほぼ同じです。もちろん、いずれも栽培環境などによって大きい物や小さい物など幅はあります。

 「あまなつ」に比べ名前に”紅”と付くだけあって「紅あまなつ」の方が赤みが強い橙色となっています。

甘夏みかん(アマナツ)と紅あまなつ

 色が濃いせいもあってか、紅アマナツの方が艶が強い傾向があります。

●果肉と食味の違い

 次に、果肉の色合いを見てみましょう。果実を赤道部分で半分に切った断面を並べています。

甘夏みかん(アマナツ)と紅あまなつの断面

 やはり「紅あまなつ」の方が赤みが強いのが分かります。果皮の厚さや果肉の入り方、果芯部の大きさなどはほとんど違いがないように見えます。

 どちらも皮をむいてサジョウの房だけの状態にしてみました。

甘夏みかん(アマナツ)/カワノナツダイダイ(川野夏橙)甘夏みかん(アマナツ)/カワノナツダイダイ(川野夏橙)の糖度

 「あまなつ」は酸味と甘味のバランスではどちらも同じくらいで、若干酸味が買っている感じがします。

 一方、「紅あまなつ」の方は酸味と甘味が丁度同じくらいで、今回のものに関しては「あまなつ」よりも糖度も高く甘かったです。

 糖度をはじめ、味に関しても栽培環境などによって同じ「紅あまなつ」であっても酸味が強かったり糖度が低いものもあったりしますが、傾向としては「紅アマナツ」の方が糖度が上がりやすく、酸も少ない傾向があるとされています。

 いかがでしたか。単に甘さという面では「紅あまなつ」の方が甘い傾向がありますが、美味しさは甘さだけではなく、酸味も重要で、好みや用途によって選べばいいと思います。

■アマナツや紅あまなつの選び方と保存方法

●美味しい甘夏を選ぶポイント

 甘夏類の選び方は正直難しいです。色が濃く均一で表面が滑らかで艶があり、ヘタの部分に青みが残っているものを選びます。持った時にずっしりと重みを感じる物の方が果汁が多く美味しいです。ヘタが枯れている物は避けましょう。

甘夏みかん(アマナツ)/カワノナツダイダイ(川野夏橙)

 お店で糖度を表示している場合は参考にしましょう。

●冷暗所でなるべく空気に触れさせないようにする

 保存は直射日光が当たらない涼しい所を選んでください。冷蔵庫は乾燥して皮がしぼんでしまい、苦味が出やすくなるのでなるべく避けてください。もし部屋が高温で冷蔵庫に入れるのであればしっかりと全体をラップで包んで野菜庫に入れてください。冷やしすぎに注意しないと低温障害を起こしてしまいます。箱のまま保存するときは、出来るだけ外気に触れないように、隙間を塞いで保存した方が長持ちします。

■美味しいアマナツの食べ方

●皮の剥き方

甘夏みかん(あまなつ/アマナツ)

 アマナツや紅アマナツは皮もジョウノウも厚いのでそのままでは剥きにくいです。上と下をナイフで皮の部分をスライスするように切り落としてから、数箇所縦に皮の厚み程度に切り込みを入れると剥きやすくなります。また、オレンジやグレープフルーツのように、ナイフで皮を剥き、クシ型にフサを切りだしても良いでしょう。

●料理にも使えます

甘夏の果肉

 果肉がしっかりしているので、房をほぐしてサラダに使ったり、和え物に使ったりしても美味しいです。また、房のままタルトのトッピングにしても良いでしょう。

皮をむいた紅甘夏みかん(ベニアマナツ)

●マーマレードに

 皮と共に砂糖で煮てマーマレードを作っても美味しくできます。

●皮でピールチョコ

甘夏の皮を使ったコンフィチュール

 皮をナイフで剥き、ワタの部分を薄くそいで厚みを揃え、沸騰した茹で茹でこぼしを何度かしてアクを抜き、シロップで煮詰め乾燥させた物をチョコレートでコーティングします。ほのかな苦みと爽やかな香りがチョコレートと混ざりあう上品な味の菓子が出来上がります。


 当サイトの画像一覧ページにある画像に関しまして、透かしロゴなしの元サイズ画像をご利用になりたい場合はダウンロードサイトからご購入頂けます。そちらに無いものでも各画像一覧からご希望の画像をクリックした際に表示される拡大画像のURLをお問い合わせフォームからお知らせ頂ければアップロードいたします。また、点数が多い場合は別途ご相談にも対応いたします。企業様の場合は請求書・振込払いも可能です。