カワノナツダイダイ/甘夏みかん/アマナツ:来歴や特徴と産地と旬

甘夏みかん(あまなつ/アマナツ)

■カワノナツダイダイ(あまなつ/アマナツ)の来歴や特徴

●カワノナツダイダイ(川野夏橙)の来歴

甘夏みかん(あまなつ/アマナツ)

 「ナツミカン」は江戸時代に山口県長門市仙崎大日比(青海島)に漂着した南方系の柑橘の種を育成したものが期限とされています。標準和名は「夏代々(ナツダイダイ)」ですが、「夏橙」や「夏柑」などとも呼ばれています。現在でも山口県をはじめ各地で栽培されてきましたが、現在ではほとんど「甘夏(アマナツ)」に取って代わっています。ここでは、このアマナツについて紹介していきます。

 甘夏ミカンにはいくつかの種類があるようですが、そのほとんどは「カワノナツダイダイ(川野夏橙)」だと言われています。「カワノナツダイダイ」は、1935(昭和10)年に大分県津久見市の果樹園において川野豊氏が発見した、古くからある夏ミカンの枝変わりを育成した品種です。普通の夏ミカンよりも早く色付き、酸が早く抜けることから甘味系夏ミカン、甘夏みかんと呼ばれるようになりました。

●カワノナツダイダイ(川野夏橙)/アマナツの特徴

甘夏みかん(あまなつ/アマナツ)

 アマナツの果実は300g~500g程で、やや扁平した球形で果梗部周囲に放射状溝がみられます。果皮色はやや明るい橙色で表面は少し粗く、皮は厚実があり硬めで剥きにくい。

甘夏みかん(アマナツ)/カワノナツダイダイ(川野夏橙)

 ジョウノウ膜も夏橙(ナツミカン)と同じで厚みがあり、そのまま食べることはできず剥かなければなりません。

 しかし、その中の果肉部分、サジョウはしっかりとしていて果汁をたっぷりと含み、粒の一つ一つがプチプチとした食感があります。

甘夏みかん(アマナツ)/カワノナツダイダイ(川野夏橙)の断面

 味は酸味が強めですが、それと共に甘みがあり、全体にさっぱりとした清清しい味が楽しめます。

●実際に食べてみたアマナツの食味

 撮影試食したのは4月20日に購入した福岡県産の甘夏で、果重420gほどでした。果皮は薄いオレンジ色で、果肉は艶のある黄色でした。

皮をむいた甘夏みかん(アマナツ)/カワノナツダイダイ(川野夏橙)の断面

 今回のアマナツは糖度自体はあまり高くないのですが、同じくらいの糖度だった夏みかん(夏橙)に比べ酸味が穏やかな分甘く感じました。計った糖度は10%前後でした。適度な酸味があり、さっぱりとした甘さで料理にも使える感じです。

■アマナツ(夏みかん含む)の主な産地

●アマナツ(夏みかん含む)の主な産地

全国の夏みかん/甘夏みかんの収穫量

 政府がまとめた2019年産の特産果樹生産出荷実績調査によると、アマナツも含む夏みかんの全国の収穫量は32,130トンとなっています。

 主産地は鹿児島県、熊本県、愛媛県で、この上位3県で全国の7割以上を締めています。次いで和歌山県や三重県、静岡県など各地で栽培されています。

 上の数字はアマナツだけでなく、ベニアマナツやナツダイダイ(夏みかん)も含んだ物となっており、アマナツだけの収穫量は分かりません。

●ブランド甘夏 「出水の紅甘夏」

 鹿児島ブランドの紅甘夏 紅の濃い果皮とオレンジ色の果肉が特徴です。収穫後2~3カ月貯蔵し、糖度がのってから出荷されます。

●新甘夏 サンフルーツ

 甘夏ミカンの枝変わりとされる品種。 これについてはこちらのページへ →

■甘夏みかんの収穫期と美味しい旬

 1月から収穫が始まり、倉庫などで寝かせて酸を抜き熟成させたのち出荷されます。美味しくなる旬は3月から5月頃までです。

旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月
甘夏                              
サンフルーツ                              

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