●バナナ の概要

◆バナナとは

分類:ショウガ目 > バショウ科 > バショウ属

学名:Musa

デザート種 英名:Banana 仏名:Banane

和名:バナナ

別名:甘蕉、実芭蕉

 バナナは南アジアの熱帯地方が原産とされているバショウという草本になる実の総称で、色々な種類があります。栽培されているバナナの種類は数百種類以上といわれ、その中にも、よく見かける生食用のものと、芋のように生では食べられない料理用のプランテンまたはプランテインと呼ばれるタイプのものとがあります。今世界で栽培されているバナナの約3分の2は普段食べるような生食用で、残り3分の1は料理用です。

 料理用のものは、でんぷんが生食用品種のように糖質に変わらず、そのまま残るために、芋類と同じように炭水化物の食材として加熱調理して食べられています。ここでは、生食用のバナナを中心にとりあげます。

◆バナナはありきたり・・・でも

 バナナは昔から、常時スーパーや果物屋の店頭にならび、価格も安く、美味しいのですが高級感や特別感が無い果物ですね。そんなバナナでも、その栄養分や働きはすばらしいものがあります。また、調理方法なども工夫すれば、かえって新鮮な感動をえられることもありますよ。

◆バナナのたたき売り

 バナナのたたき売りという言葉をご存知ですよね?早い話、最終処分価格で売り払う様子を言うのですが、これは、明治時代にバナナが日本に入ってきて広がり始め、大正時代に入り、台湾から大量に船便で運び込まれるようになったのですが、その途中でバナナが熟してしまい、仕方なく途中の門司港に下ろし、処分の為に安売りをしたのが始まりだそうです。確かに、時間が経つほど黒くなって売れなくなってしまいますよね。

◆バナナは青い状態で輸入されます

 日本では、チチュウカイミバエなどの害虫の侵入を防ぐため、熟した状態では通関を通せない事になっています。そのため、バナナはまだ青いうちに収穫したものしか輸入出来ません。日本に定温輸送されたバナナは一旦室(むろ)に入れられ、エチレンガスや温度調整によってある程度追熟させてから出荷されます。

インドネシア産オリジバナナ

●バナナのタイプと分類

 現在日本で流通しているバナナには国内産、輸入物ともに様々な品種・ブランドがあります。キャベンディッシュ系と呼ばれるものにも沢山の品種やブランドがあり、それぞれの品種の違いなどは分かりにくくなっています。また国内に輸入されるバナナの多くを占めるジャイアントキャベンディッシュと呼ばれる品種も、海外ではウィリアムス種(またはウイリアム種)と呼ぶ事も多く分かりにくいです。

◆Musa acuminata とMusa balbisiana

 現在食用として栽培されているバナナのほとんどが”Musa acuminata”と”Musa balbisiana”という2種の野生種をルーツとする交雑種と考えられています。この2種の遺伝的要素をどれくらい引き継いでいるかによって様々なタイプが生まれているのです。また、交雑によって生まれた品種の染色体の数によって、2倍体なのか、3倍体あるいは4倍体なのかによって分けられています。

 この元となる2つの野生種に対し”Musa acuminata”を「A」、”Musa balbisiana”を「B」とし、染色体の数と遺伝的にどちらを受け継いでいるのかを表す分類法があります。AAは2倍体で”Musa acuminata”同士の交雑と考えられるタイプでラカタンセニョリータなどがこのタイプです。AAA、AAAAはそれぞれ3倍体、4倍体の”Musa acuminata”で、キャベンディッシュ系はAAAタイプです。AABは遠い先祖に”Musa balbisiana”をもつ3倍体で、調理用バナナのプランテインはこのタイプになります。同じ調理用バナナでもサババナナはより”Musa balbisiana”に近いABBのグループとされています。

旬の食材百科で紹介しているバナナの品種一覧はこちら →

◆デザートバナナとクッキングバナナ(調理用バナナ)

 バナナには一般的な甘いバナナと、そのままでは美味しく食べられない、所謂調理用のバナナに分けられます。

 先の2つの野生種の系統では、”Musa acuminata”の系統、AAやAAA、AAAAデザートバナナはデザートバナナになる傾向があり、”Musa balbisiana”の遺伝が加わることで調理用バナナとなる傾向があります。

●バナナの主な産地と旬の時期

タイ産ホムトン・バナナ,HOMTON BANANA,グロス・ミッシェル種,Gros Michel

◆バナナといえばフィリピン!?

 現在日本で流通しているバナナはほとんど輸入されているもので、全輸入果物の量で見るとバナナが約60%を占めています。

 平成19年の貿易統計によれば、国内市場に出回っている約90%がフィリピン産の「ジャイアント・キャベンディッシュ」系の品種です。続いてエクアドル、台湾産があります。

◆国産のバナナもあります

 国内でも、ほんの少し、沖縄や奄美大島、鹿児島などで栽培されているようです。政府がまとめた2020(令和2)年産の特産果樹生産動態等調査をみると、全国の栽培面積は51.4haで沖縄県が栽培面積12.8haで88.6トン、鹿児島県が34.8haで71.3トン、宮崎県0.6ha、24.5トンとなっています。また、岡山県でも栽培面積が3.2haとなっていますが収穫量は公表されていないようです。岡山県は皮ごと食べられるバナナとして話題になっていますね。

 沖縄のバナナは「島バナナ」や「三尺バナナ」、「銀バナナ」「アップルバナナ」などがあり、輸入されているものよりもねっとりとしていて甘味が強く美味しいバナナが多いです。

銀バナナ(ぐしちゃん銀バナナ農園産)

◆バナナの旬と旬のカレンダー

 普通のバナナは通年安定して輸入されているので、旬は無いと言えます。

 沖縄や奄美大島、石垣島などで生産されている島バナナは収穫時期が限られているので旬があります。早いもので5月下旬頃からで、遅い物は10月頃までとなり、最盛期の旬は真夏の7月から9月となります。

旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
輸入バナナ                        
国産島バナナ (三尺)                        

 当サイトの画像一覧ページにある画像に関しまして、透かしロゴなしの元サイズ画像をご利用になりたい場合はダウンロードサイトからご購入頂けます。そちらに無いものでも各画像一覧からご希望の画像をクリックした際に表示される拡大画像のURLをお問い合わせフォームからお知らせ頂ければアップロードいたします。また、点数が多い場合は別途ご相談にも対応いたします。企業様の場合は請求書・振込払いも可能です。