●紅映梅(ベニサイウメ)とは

 紅映梅は福井県若狭地方が発祥とされる、果皮がやわらかで種子が小さく(果肉が厚い)、酸味が穏やかな上質の梅で、収穫量は梅全体の1%ほどしかない希少品種となっており、現在もそのほとんどがこの地方で作られています。

◆紅映梅の来歴

 紅映梅は江戸時代の天保年間(1830~44年)に福井県の三方湖畔にある西田村伊良積(現:福井県三方上中郡若狭町伊良積(いらづみ))の平太夫(へいだゆう)家と助太夫(すけだゆう)家に植えられ、それぞれの屋号に因んで「平太夫梅」「助太夫梅」と呼ばれていた2種の梅がルーツとされています。

紅映梅(べにさしうめ)

 明治時代に入りこの2つの梅を交配し、雪が多いこの地域でも品質のいい実をしっかりとつけるよう選抜育成されたのが紅映梅です。

◆紅映梅の特徴

紅映梅(べにさしうめ)

 紅映梅の実は22g程度(撮影したものは平均23.3g)で、梅の実としては中くらいのサイズになります。

 果皮は濃い緑色から熟すにしたがって黄色くなっていきますが、陽光にさらされた面が紅色に着色しやすく、品種名の由来となっています。

紅映梅(べにさしうめ)

 また、皮が薄くて柔らかいことや、果肉が肉厚で種子が小さいこと、有機酸がやや少なく酸味がおだやかなどの特徴があり、梅干しにした時の着色や食味がよく、梅酒やジュースへの加工にも適している梅となっています。

 一般的には梅干しと言えば「南高梅」が有名ですが、この紅映梅も大きさでは敵いませんが食味では甲乙つけがたい高い品質を持っています。

●紅映梅(ベニサイウメ)の主な産地と旬

紅映梅(べにさしうめ)

◆主な産地と生産量

紅映梅の主な産地と栽培面積

 紅映梅は、福井県発祥の品種で、この地に合うように品種改良されてきたという事もあり、主な産地は福井県です。2019(令和2)年産の特産果樹生産動態等調査によれば、全国の紅映梅栽培面積は276.6haで、そのうちの約95.5%を福井県が占めています。

 福井県内の主な産地は若狭町で、県内の7割以上を産しています。

◆紅映梅の収穫時期と旬

 紅映梅の収穫は青梅が6月上旬頃から始まり、完熟の落果梅が6月下旬頃から7月中旬頃までで、最盛期は6月中旬から下旬です。

品種 5月 6月 7月 8月
紅映梅                        
紅映梅(べにさしうめ)

< 出 典 >

 ※「福井梅について」小浜梅生産部会

 ※「若狭紅映梅」DS shop-japan

 ※「福井県産 紅映梅の特徴」株式会社福梅

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