よつぼし<イチゴ:来歴や特徴と産地や旬

●よつぼしとは
◆日本で初めて実用利用されはじめた種子繁殖型イチゴ品種

よつぼしは農林水産省の提案公募型事業「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」の一つとして、三重県、香川県、千葉県と九州沖縄農業研究センター(農研機構)の4つの機関が2009(平成21)年から2012(平成24)年までの4年間にわたり「共同育種による種子繁殖型イチゴ品種の開発と種苗供給体系の改革」という共同事業に取り組み、研究開発したいちごで、日本で初めて実用化されるイチゴ種子繁殖型品種として2014(平成26)年に品種の登録出願が出されています。
開発に当たっては各機関がもつ沢山の優れた育種を組み合わせ、その中から選抜が行われたそうです。
結果的に三重県が「かおり野」から育種した「三重母本1号」を母親とし、それに花粉親として、「さちのか」や「とちおとめ」それに香川県独自の四季なり品種を香川県が交配育成した「A8S4-147」という品種が選ばれました。よつぼしはこの2品種の交配によってできるF1品種となります。
一般的な他のイチゴはランナーと呼ばれる蔓で株分けをする、いわゆるクローンの増殖によって苗を増やしておくのに対し、種から増やすことによって親株から病害虫の影響を受けにくくできるとともに、収穫時期が終わった後、親株を管理する必要がないというメリットがあります。栽培技術のマニュアル作成に当たっては育成に関わった4機関以外にも、山口県と北海道、それに東北農業研究センターでも栽培されたそうです。
名前の由来は「甘味」、「酸味」、「風味」が揃って「よつぼし」級に「美味」しい事と、4つの機関が共同で開発した期待の品種という意味が込められているそうです。
◆よつぼしの特徴

形は比較的整った円錐形で、香りもよく、半分に切った断面を見るとわかるように、果実の中もかなりしっかりと赤い色がついています。果芯の空洞はわずかに見られます。
食べてみると、固くなく柔らかすぎもせず適度な食感で、酸味は強くなく甘味が広がる感じです。
●よつぼしの主な産地と旬
◆主な産地と生産量

よつぼしは2017(平成29)年1月現在、全国各地で苗の頒布による試験的な栽培が行われている段階で、種子の販売は2017年以降の予定だそうです。
種子の販売が始まればF1品種として全国どこでも生産が可能となります。
◆よつぼしの収穫時期と旬
よつぼしは早生性品種となっており、11月中旬頃から収穫が可能とされています。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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よつぼし |
外部リンク>種子繁殖型イチゴ研究会ホームページ