とよのか<イチゴの品種

■とよのかとは?
●かつては「西の横綱」と呼ばれたイチゴの代表品種

「とよのか」は福岡県の野菜試験場久留米支場(現 (独)農研機構九州沖縄農業研究センター)において、1973(昭和48)年に「ひみこ」(「久留米34号」×「宝交早生」)に「はるのか」(「久留米103号」×「ダナー」)を交配し、以後選抜を重ねて育成されたもので、1984(昭和59)年に品種登録されました。出願時の名称は「イチゴ久留米42号」となっています。品質がとても高く、おまけに早期収量の多い早出し可能な品種で、促成、半促成栽培にも適しているイチゴとして人気を得ました。

当時各地で栽培されていた品種の中では群を抜く美味しさと輸送性の高さ、更には収量の高さも相まって福岡県を中心に九州各地に広まり、栃木県で生まれた東日本の「女峰」と共に『東の女峰、西のとよのか』と言われるまでになり、1990年代後期あたりまでイチゴの品種としては「西の横綱」とまで言われていました。

その後、次々と新しい品種が生まれ、「あまおう」の登場で一気に作付け転換が進み市場から姿を消しつつあります。とはいうものの、まだまだファンは多く、量は激減したものの市場にはまだ出回っています。
●とよのかの特徴
果形は円錘形で大粒傾向にあり、果皮は艶のある鮮やかな紅色をしています。果肉の中心部は白いです。
イチゴ特有の甘い香りが強く、また、果肉はジューシーで糖度が高く適度な酸味と共に豊かな甘さが口に広がりイチゴらしい美味しさが感じられます。
ただ、凸凹した変形果が出来やすく、一粒一粒の形がそろいにくい傾向にあることと、果肉が柔らかめで傷みやすいというマイナス面を持っています。

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