フィンガーライム:特徴や産地と旬
■フィンガーライムとは?
●オーストラリア原産の不思議な柑橘

フィンガーライムは南東クイーンズランド州から北部ニューサウスウェールズ州にかけての乾燥した熱帯雨林の地域が原産で、オーストラリアの先住民、アボリジニが古くからジャムなどにして食べていた果実だと言われています。
樹木の高さは2~7メートル程にもなり、枝が蔓状に伸び、まさにブッシュになるのですが、その細い枝にも鋭い棘が沢山付いている為、収穫も大変だそうです。
1965年にカリフォルニア大学に穂木が寄贈されていますが、当時はまだアメリカでの商業生産には至りませんでした。その後2004年にカリフォルニア大学リバーサイド校の研究者主催の展覧会でこれを見つけたジム・シャンリー(Jim Shanley)が一目ぼれし、2006年に苗木を購入して栽培をはじめ、2012年には「Citriburst Finger Limes」というブランドを立ち上げアメリカでの販売を始めました。現在日本に輸入されているアメリカ産のフィンガーライムも彼の農園産の物です。
シャンリーファームのホームページ http://shanleyfarms.com/

●フィンガーライムの特徴
フィンガーライムの大きさは長さ4~8cmの縦長で表皮の肌は柑橘らしくライムなどと似ています。しかし、切ってみると中の果肉はサジョウが魚卵のように丸く粒状で、果実を指でつまむと中からむにゅむにゅっと粒が出てきます。その際果汁はほとんど出てきません。

切った時にライムのようなさわやかな柑橘の香りがしますが、サジョウだけ手にとってもそれ程香りはせず、口に含んでもあまり味も感じません。ところが粒を噛むと中から果汁がはじけ、柔らかい酸味と香りが口の中に感じられます。
フィンガーライムにはいくつかの品種があり、中の果肉の色が写真の薄い黄緑?の物やピンクの他にも、濃いピンクやグリーンなど色々あるようで、十数種の色があると言われています。
●フランスの三ツ星レストランでも人気の高級食材に
フランスの三ツ星レストランのシェフ達の間でも話題になり、料理やスイーツなどに用いられているようです。現在需要に対して供給量が少ない事などもあり、フランスでも日本でもキロ当たり10,000円~15、000円と非常に高い値がついています。
■フィンガーライムの主な産地と旬
●主な産地
主な産地は原産国のオーストラリアをはじめ、アメリカやなどで、日本にはオーストラリアから冷凍物が、アメリカからはフレッシュの物が輸入されています。
日本でも苗木の販売が始まっているので、近い将来国産物も出回るようになりそうです。ただ、気候的に見ると沖縄や鹿児島などかなり温かい地域が向いていると思われます。
●フィンガーライムの収穫時期と旬
アメリカでの収穫時期は6月頃から1月にかけてで、日本に入ってくるのは8月か9月辺りから12月頃までとなっているようです。
オーストラリア産の物は冷凍品なので通年入荷があると思われます。
産地 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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アメリカ | ||||||||||||
オーストラリア |