●イガイ類の生態や特徴
◆ムール貝とは
分類:動物界 > 軟体動物門 > 二枚貝綱 > 翼形亜綱 > イガイ目 > Mytiloidea上科 > イガイ科 > イガイ属(日本海洋データセンターより)
学名:Mytilus Linnaeus, 1758イガイ属
英名:mussel
ムール貝という名称はフランスにおけるイガイ類の総称的な呼び名で、日本にフランス料理が浸透した頃の影響か、今では日本でもイガイやその仲間はムール貝として流通することが多い。
日本では近縁種のイガイやエゾイガイなどが古くから食用とされてきたが、1920年ごろから地中海原産とされるチレニアイガイが貨物船などのバラスト水に紛れて移入し、国内でも一気に繁殖しムラサキイガイという日本名が付けられている。
現在、市場に最も多く流通しているのはこのムラサキイガイで、イガイは各地の産地で僅かに消費されているくらいで市場ではあまり見かけないが、市場ではいずれもムール貝として扱われていることが多い。
また、イガイ属ではなく、ミドリイガイ属のパーナ貝(ミドリイガイ)というのも東南アジアやニュージーランドから冷凍物が輸入され、ムール貝の代用的に使われている。
◆イガイの仲間の生態
イガイの仲間は北海道から九州までの各地の沿岸に分布し、種によって多く生息する水深は多少違いがあるようだが、概ね潮間帯から水深50メートルまでの比較的浅い岩礁などに足糸を伸ばして絡めるように固着し、海中のデトリタスやプランクトンを食べて生息している。
◆イガイ類の特徴
イガイ属の貝は殻頂が鋭角に尖った形をしており、蝶番とは反対側の殻が開く側から足糸を伸ばし地物に絡みつかせて固着する。
殻の表面は毛はなく弱い成長線が見られる。殻表の色は種によって多少違いはあるがおおむね黒っぽい。尖った先の方の表面が少しはげた状態になっているものが多い。
中の軟体部は生息環境によって濃いオレンジ色からベージュまで色合いが違ってくる。脚や内臓は外套膜に包まれているが、左右の外套膜の外縁は黒く、その間からのぞく脚などの様子が女性器のようであることから「ニタリガイ」や「ヒメガイ」さらには女性器そのものの名称を指すような名称までつけられている。
●主な産地と旬
◆主な産地と生産量
ムラサキイガイやイガイは全国各地に生息し、各地で採捕されています。市場に出荷されているものの多くは養殖またはカキなどの養殖の副産物的に獲れたものが多い。主な産地は広島県や宮城県や愛知県、三重県など、カキの養殖が盛んなところが多い。
なお、身近な内湾などにも群生しているのを見かけるが、イガイの仲間は貝毒を蓄積しやすいとされるので、ちゃんと水質検査や管理がされた状態で育てられ出荷されているもの以外は貝毒のリスクが高いため、むやみに採捕して食べない方が良い。
◆ムール貝の漁獲時期と旬
ムール貝の本場フランスでは産地で知られるモンサンミッシェルで7月に漁が解禁され、12月までとなっている。
国内では産地によって旬とされる時期にずれがあり、今後機会があれば食べ比べをしてみたいものだと思っている。
主な産地が旬としている時期を下にまとめているので参考に。
概ねムール貝の旬は、冬から春先までの産卵期を終え、その後十分に身に栄養を蓄えて次に備える夏から秋が旬と言えそうだ。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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広島県 | ||||||||||||
岩手県三陸とれたて市場 | ||||||||||||
宮城県唐桑産 | ||||||||||||
宮城県気仙沼 | ||||||||||||
愛知県 | ||||||||||||
フランス |
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