ウメイロ:生態や特徴と産地や旬

ウメイロ,ヒワダイ,オキタカベ,ウグイス

●ウメイロの生態や特徴

◆ウメイロとは

分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > スズキ亜目 > フエダイ科 > アオダイ属(BISMaLより)

学名:Paracaesio xanthura (Bleeker, 1869)

和名:うめいろ/梅色

英名:Yellowtail blue snapper 仏名:Vivanette queue jaune

別名:オキタカベ、ウグイス、ヒワダイ

 ウメイロはアオダイシマアオダイと同じフエダイ科アオダイ属の1種で、背から尾にかけて黄色であることが目を引き、この色合いが梅の実の色を思わせるのが名前の由来とされている。

 暖海性の魚で産地では味の良さに定評があり、漁獲量もあまり多くないこともあって市場では高級魚として扱われているため一般のスーパーなどで見かけることはほとんどなく、一般家庭での認知度はかなり低い。

 アオダイ属の属名”Paracaesio”はギリシャ語で、タカサゴ属”Caesio”に近いという意味。種小名”xanthura”はギリシャ語の「黄色い」を表す”xanthos”に”oura”を組み合わせ、「黄色い尾の」という意味。

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◆ウメイロの生態

 主に水深100~200mの深場にある岩礁域に生息するが、若魚は水深30m程の浅いところまで来ることもあるようだ。時に大群で遊泳し、動物プランクトンを主に食べる他、小さな甲殻類や小魚なども捕食する。

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 ウメイロは暖海性の魚で、「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は伊豆諸島、小笠原諸島、硫黄島・南硫黄島、神奈川県三崎〜九州南岸の太平洋沿岸、山口県萩、五島列島、屋久島、琉球列島、南大東島とされ、海外においては朝鮮半島南岸、台湾、南沙諸島、インドー太平洋(オーストラリア北西岸と北岸・ニューギニア島南岸・ハワイ諸島・ツアモツ諸島以東を除く)にまで分布する。

◆ウメイロの特徴

 写真は全長44cm(尾叉長37cm)、1.5Kgのもの。

 ウメイロは全長45㎝程になる。体形は側扁した卵型で、背側、尾側共に口から尾柄部まで同じような緩い曲線を描く。尾ビレは深く二叉し、中央部後縁は切れ込んでいる。背ビレの軟条数は通常10でタカサゴ属よりも少ない。

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 体は淡紫青色で体側上半部は幅広く黄色く、尾ビレも全体に黄いろいものが多い。この黄色い色が梅色と表現され和名の由来となっている。

 一見、タカサゴ族のウメイロモドキとそっくりだが、ウメイロモドキは胸ビレ基部が黒いことと背ビレにまで細かいウロコが及んでいることで見分けられる。

●ウメイロの主な産地と旬

◆主な産地と漁獲量

 ウメイロは南国の魚で、鹿児島県や長崎県など九州をはじめ高知県や和歌山県、また、関東では伊豆諸島から小笠原諸島でも多く漁獲されている。主に底延縄や一本釣りで漁獲され、漁獲量は一般的な魚種に比べ多くは無く、味の良さもあって高値で取引されている。

 関東では伊豆諸島などで釣りの対象としてもの知られている。

◆ウメイロの漁獲時期と旬

 ウメイロは初夏から秋にかけて漁獲される。味的には年間を通して大きな差は無いようだ。

 旬は市場に沢山出回る6月から9月にかけての夏。

旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
ウメイロ                        

◆アオダイ属の魚


< 出 典 >

 ※「日本産魚類全種の学名」中坊徹次・平嶋義宏著 東海大出版部 

 ※「日本産魚類検索全種の同定第三版」中坊徹次編 東海大出版会 P.928

 ※「食材魚貝大百科③」平凡社 P.92

 ※「旬の食材- 夏の食材」 -講談社 P.47

 ※FishBase Cheilopogon pinnatibarbatus japonicus


 
 

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