ホウライヒメジ/ほうらいひめじ:生態や特徴と産地や旬

ホウライヒメジ/ほうらいひめじ

●ホウライヒメジの生態や特徴

◆ホウライヒメジとは

分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > スズキ亜目 > ヒメジ科 > ウミヒゴイ属(日本海洋データセンターより)

学名:Parupeneus ciliatus (Lacepède, 1802)

和名:ほうらいひめじ/蓬莱比売知

英名:Rosy goatfish、Whitesaddle goatfish、Dash-and-dot goatfish

仏名:Rouget-barbet barberin、Rouget-barbet sellé

別名:オジサン(ウミヒゴイ属を総じて)、メンドリ(ウミヒゴイ属を総じて)

 ホウライヒメジはヒメジ科ウミヒゴイ属の一種で、オキナヒメジとよく似ており、市場ではほとんど区別されていない。関東では他のウミヒゴイ属の魚とともにいずれも「オジサン」と呼ばれることが多いが、関西では「メンドリ」と呼ばれることも多い。

 属名の”Parupeneus”はヒメジ属”Upeneus”に、側または副を意味する”para-”を付けたもの。種小名”ciliatus”は『繊毛、細毛を持つ 』という意味。

ホウライヒメジ/ほうらいひめじ

 一般家庭では馴染みが薄い魚だが、同じヒメジ科のヒメジ属に比べ適度な大きさがあり、色や味が良いことや、フランス料理では近縁種をよく使うこともあり、飲食店での引き合いが多い。

◆ホウライヒメジの生態

ホウライヒメジ/ほうらいひめじ

 ホウライヒメジは日本近海では八丈島、小笠原諸島、千葉県外房域~屋久島の太平洋沿岸、山形県加茂、福井県、兵庫県浜坂、山口県日本海沿岸、福岡県、琉球列島、海外では台湾、インドー太平洋(紅海、ペルシャ湾、ハワイ諸島、マーシャル諸島、ライン諸島、イースター島を除く)に分布し、主にサンゴ礁の海藻繁茂域やその外縁に生息する。

◆ホウライヒメジの特徴

ホウライヒメジ/ほうらいひめじ

 ホウライヒメジは標準体長32cm程で、全長40㎝程になる。ウミヒゴイ属に分類される通り成魚の体色は全体に赤から赤褐色だが、口元からエラ後縁にかけて不明瞭な白っぽい帯状の筋が2~3本入っているものが多く、尾柄部には鞍状に黒斑がある。髭もあり外見はヒゴイ(緋鯉)に似ている。幼魚は褐色に近い色合いで、口元から伸びる白い帯が鮮明で体の真ん中あたりまで続いている。

 オキナヒメジとの違いは、尾柄部の黒っぽい斑紋が鞍状になる傾向があり、オキナヒメジは左右に分かれることと、この斑紋が側線より少し下まで及ぶホウライヒメジに対してオキナヒメジは側戦を超えないこと、また、臀(しり)ビレが長く、前縁長が臀(しり)ビレ基底部と同じくらいかわずかに長く、基底部の方が長いオキナヒメジと見分けられる。

●ホウライヒメジの主な産地と旬

◆主な産地と漁獲量

 ホウライヒメジはサンゴ礁のある暖かい海に多い魚で、主な産地は和歌山県から高知県、長崎県から鹿児島県などとなっている。ウミヒゴイ属の中では比較的漁獲量は多いが、この魚を目的とした漁ではなく、延縄や刺し網などで混獲されるにすぎず、全体の量は少なくスーパーなどに並ぶことはほとんどない。

◆ホウライヒメジの漁獲時期と旬

 ほぼ通年漁獲されているのではないだろうか、海水温が比較的温かく安定している海域に多く、身質の季節変動はあまりなさそうだ。

 産卵期は夏のようだが、この時期のホウライヒメジも旨い。講談社が発行している「旬の食材」というシリーズでは冬の魚として扱われている。

旬のカレンダー
旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
ホウライヒメジ                        

●ヒメジ科の仲間



 
 

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