●ワケギの概要と特徴
◆ワケギ(分葱/わけぎ)とは
分類: キジカクシ目 > ヒガンバナ科 > ネギ属 > ワケギ
学名:Allium × proliferum (Moench) Schrad. ex Willd.
英名:Tree onion、Topsetting onion
別名:一文字(熊本)、千本/チモト(大分)
ワケギは外見がネギとほぼ同じでネギ属に分類されていますが、厳密には別種として扱われています。ネギとタマネギが交雑して出来た雑種とされいます。
主に関西以西で栽培されており、関東で目にする名前だけでなく姿も似ているワケネギというのもあり、よく混同されていたりしますが、ワケネギは完全にネギの一種で、同じように根元が分かれて増えていきますが球根のようには膨らまず、種もでき、ワケギとは別種になります。
◆ワケギの特徴
ワケギは青ネギタイプで主に緑の葉の部分をたべますが根元の部分が球根状に膨らみ、分球して増え、種はできません。一般的なネギより根の部分が少しふくらんでいるのが特徴で球根状の部分はエシャレットのような感じです。
ワケギは一般的なネギに比べクセが少なく、香りもソフトで、ネギ独特の辛味が少なく甘みがあります。「ぬた」はこのねぎの旨みをうまく活かした料理でしょう。
●ワケギの美味しい食べ方と料理
◆調理のポイント
ワケギは青ネギ(葉ねぎ)と同じ料理に使えると考えていいでしょう。ただ、ネギよりは香りが穏やかで辛味もないので薬味としてはややパンチにかけるかもしれません。
葉だけでなく、球根部分も食べられます。葉と一緒刻んで炒め物やスープに加えてもいいですし、球根部分だけをサッと茹でてエシャレットのように味噌を浸けて食べても美味しいです。
◆ワケギのヌタ
ワケギをサッと茹でて冷水に放ち、水気をふき取ったものを食べやすく切ったり、1株ずつ根元にくるくると巻きつけたものを酢味噌などをかけたり和えて食べます。
ネギのような辛味がなく風味豊かな小鉢料理になります。
●ワケギの主な産地と旬の時期
◆ワケギの全国生産量
ワケギの産地としては広島県が有名です。農林水産省がまとめた令和2年産野菜生産出荷統計を見ると全国の栽培面積は56haで、収穫量は698トンとなっており、そのうちのおよそ半分を広島県が占めています。次いで群馬県、福岡県、愛知県となっています。
2014(平成26)年で見ると、全国の収穫量は1215トンとなっていたので、この6年ほどの間に半減している事になります。
◆ワケギのの収穫時期と旬
ワケギは通年出荷されていますが、露地物の収穫盛期は3月中旬頃から5月上旬頃にかけての春と、9月から11月にかけての秋です。
特に春には各地の農産物直売所などに沢山出荷されているのを見かけます。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ワケギ |