サワースウィート:来歴や特徴と産地や旬
●サワースウィートとは
◆サワースウィートの来歴
「サワースウィート」はスイカとメロンを専門に扱う奈良県の種苗メーカー(株)萩原農場が開発した、爽やかな酸味をもつメロンで、2021年に”フーコク交配”ブランドで種が発売されています。
このメロンは他の一般的なメロン同様F1品種で、本種が持つ酸味は交配親から受け継がれたものだそうです。
現在市場には数多くの品種が出回っていますが、『甘酸っぱいメロン』はこれまでになく、メロンの食味の概念を突き抜けた斬新な味わいで注目の品種となっています。
◆サワースウィートの特徴
「サワースウィート」の果実は栽培環境によって違いはあるようですが、親づる1本仕立て1果収穫の立体栽培では1.5㎏ほど、子づる2本仕立て4果収穫の地這い栽培では1㎏程度となります。
果形は縦長の高球形で果皮は黄みがかった白色で、表面は「ハネデュー」に似たつるっとしたノーネットメロンです。
果肉は白く、緻密でなめらかな食感、糖度は適切な管理により16度程度に安定し、日持ち性が優れ、何よりも、甘いだけでなく爽やかな酸味があり、深い味わいが楽しめるのが特徴となっています。
(株)萩原農場によると、酸味として感じる形のクエン酸の量は、このメーカーが扱う従来のノーネット系メロンのおよそ3-5倍の量が含まれているそうです。
◆実際に食べてみたサワースウィートの食味
撮影試食した「サワースウィート」は大阪のボニートーンさんから5月13日に仕入れた、奈良県萩原農場産のもので、表面はさらっとした手触りでずっしりと重みがあり1.6kgほどありました。果皮はほんのり黄色が差した色合いでした。
食べ頃なのかよく分からず、届いてから5日間程室温で追熟させてから食べることにしました。
半分に切ってみると果肉は白く、部分的にほんのりと緑が残ったような色味でしたが、果肉は適度に熟しているようでした。
食べてみると、果肉の食感は緻密で果汁も多く滑らかな食感ですが、甘いメロンの香りと共に甘味と酸味が口に広がり、頭の中でイメージしてきたメロンとは違った味わいに正直一瞬戸惑ってしまいました。
しかしそれも一口めだけで、二口三口と食べるうちにリンゴのようなこの甘味と酸味のバランスの良さに感心しました。ある意味、「メロン」と思わない方がいいのかも・・・。それと、”甘酸っぱい”とうたわれてはいますが、食べた感じ確かに酸味はあるのですが、しっかり熟していたせいか”酸っぱい”というほどではありませんでした。
メーカーのサイトには『甘いデザートというよりは、生ハムなど肉料理に合わせるのがおすすめ』と紹介されていますが、いやいや、デザートとしてもとても美味しいです。確かに、この酸味は生ハムにもよく合うと思います。また、『コッテリした中華料理や肉料理の食後に口にすると絶品』とあります。
ちなみに、計ってみた糖度は15.6~17.5度もありました。
●サワースウィートの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「サワースウィート」は2021年に種子の販売が始まったばかりの新しい品種で、2022年5月下旬にメーカーに尋ねたところ『現在適地を探しているところで、日本全国で試作栽培中でして、現状はまだ産地がない状況となっております。』とのことでした。
このメロンは”他にない”とても面白い品種なので今後注目していきたいと思います。
◆サワースウィートの収穫時期と旬
「サワースウィート」は2022年の時点ではまだ大きな産地がなく、荻原農園さんのものしか出回っておらず、出荷は5月中旬から6月初旬にかけてでした。
今後生産者が増えるにつれ、出荷期間の幅が少し広がると思います。
品種 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | ||||||||
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サワースウィート |
< 出 典 >
※ 「【新感覚甘酸っぱいメロン】サワースウィート(10粒入り)」株式会社荻原農場
※ 「新品種メロン『サワースウィート』 」うまいもんドットコム