キタザコエビ/北雑魚蝦:特徴や産地と旬、食べ方

キタザコエビ/北雑魚蝦

●キタザコエビ/北雑魚蝦の生態や特徴

◆キタザコエビとは

分類:ホンエビ上目 > 十脚目 > 抱卵亜目 > コエビ下目 > エビジャコ上科 > エビジャコ科 > キジンエビ属(BISMaLより)

学名:Sclerocrangon boreas (Phipps, 1774)

和名:きたざこえび/北雑魚蝦

英名:sculptured shrimp

 キタザコエビは北陸で「ガスエビ」と呼ばれるトゲクロザコエビやクロザコエビと同じエビジャコ科のキジンエビ属の一種。

 美味しいエビではあるが漁獲量が少なく、見た目もさえないこともあって都市部の市場には出荷されず、ほぼ地元で消費されているマイナーなエビである。

 2017年に北海道の知床半島沖で獲れるエビが新種と判明しダイオウキジンエビと命名されたが、これは同じ種族である。

◆キタザコエビの生態

 キタザコエビは福井県辺りから北の日本海、及び北海道周辺からオホーツク海に分布し、水深200~300mという深海の砂泥底に生息しているようだが、生態はよくわかっていない。

◆キタザコエビの特徴

キタザコエビ/北雑魚蝦

 キタザコエビは体長7cm程になるエビジャコの一種で、頭胸甲から腹部の中央辺りまでは幅が広く、そこから尾の付け根にかけては急に細くなっている。体全体に細い毛が密に生えているのが特徴。

 額角はほぼ無いが、第二腹節から頭胸甲の目の辺りにかけて前方に向けて尖ったノコギリ状の突起がある。

●キタザコエビの主な産地と旬

◆主な産地と漁獲量

 主な産地は北陸から北海道にかけての日本海沿岸で、ズワイガニやニギスなどの底曳網で混獲される。漁獲量は非常に少なく、地元で消費される程度しかない。

◆キタザコエビの漁獲時期と旬

 キタザコエビは主に冬季の底曳網で混獲されるので、冬が旬となる。ただ、味的に美味しい旬かどうかは分からない。

旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
キタザコエビ                        

キタザコエビ/北雑魚蝦

●キタザコエビの目利きのポイント

◆生きているのが良い

キタザコエビ/北雑魚蝦

 キタザコエビは傷みが早く、死んでいるものは鮮度の見極めが難しいので、できれば生きているものがいい。

◆刺し身にするなら大きいものを

殻のわりに身が小さいエビなので、刺身にするなら少しでも大きいものを選ぼう。

●キタザコエビの美味しい食べ方と料理

◆調理のポイント

キタザコエビ/北雑魚蝦

 殻がとても固く、また剥きにくい。

 身質はクルマエビのような硬さは無いが、甘エビよりもしっかりとしていて、エビらしい香りと甘味がある。

 基本的には他のエビと同じ料理に使えるが、殻が硬く注意が必要。

◆キタザコエビの刺身

キタザコエビ/北雑魚蝦

 鮮度が良いものは刺身にすると旨い。適度な食感があり、トロットした甘味が広がる。

 ただ、見た目は冴えない。

◆揚げ物

 小さいものは殻ごとから揚げにする。大きいものは殻が硬いので不向き。むき身にして天ぷらなどにする。

◆焼き海老

 殻ごと炭火やグリルで焼き上げる。香ばしい香りが広がり、身も甘い。

◆むき身にして色々な料理に

 頭を取り、殻を剥いて身だけを使うのであれば炒め物をはじめ、蒸し物や煮物など色々な料理に使える。

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