●紋平柿とは

 紋平柿は石川県能登地方が原産と言われる不完全渋柿の一種で、商業栽培しているのは石川県だけです。主な産地はかほく市で、「高松紋平柿」というブランドで10月末から12月上旬にかけ出荷しています。

◆紋平柿の来歴

 紋平柿は能登半島の付け根にある宝達山の麓が原産の、古くから自生していた在来種で、石川県、富山県、福井県、滋賀県に分布していますが、商業栽培しているのは石川県のみで、県の特産品となっています。

 「紋平柿」という名称の由来には二つの説があります。

 一つは宝達志水町に伝わるもので、江戸時代、宝達の野村家の先祖が飛んできた柿の種子を植えたところ、その柿が美味しかったので地域に広まり、その野村家の屋号「紋平さ」にちなみ紋平柿と呼ばれるようになったというもの。

 この宝達志水町ではこの地区の宝達山の麓に自生する紋平柿を各家庭で渋抜きをして食べていたのですが、食味の良さから町が県や国に陳情し、平成元年に国の支援で山崎地区と東間地区に紋平柿の柿団地(柿畑)を造成し、それぞれに生産組合が発足し、脱渋方法を統一し、商品化をすすめました。その後生産者の高齢化と後継者不足により2017年に山崎地区の組合は解散し、個々の生産者が繋いでいる状況です。

紋平柿(もんぺいがき)

 もう一つは宝達志水町の隣、かほく市(旧高松町)に伝わるもので、旧高松町元女に「門平さ」という屋号の家に樹齢100年をはるかに超える大きな柿の木があり、果実を加賀藩主の前田候に献上したところたいそう喜ばれ、家紋の紋の一字を賜り、「紋平柿」と呼ばれるようになったという説です。

 現在はかほく市が紋平柿の主産地になっており、ルーツもかほく市の説が主流となっています。

 かほく市では昭和57年から62年にかけて19haの紋平柿の園地が造成され、主に県内向けに出荷されてきましたが、近年、高松紋平柿生産組合を中心にJA、全農、流通業者、かほく市、県津幡農林事務所からなるブランド化検討会を立ち上げ、2019年から1個300グラム以上、糖度16度以上の物を「高松紋平柿プレミアム」として出荷をはじめ、初競りでは2019年以来5年連続で1箱6個入りに10万円の値がついています。

 かつてはアルコールによる脱渋で、日持ちがしなかったため、産地で消費されるだけで関東や関西などには流通していなかったのですが、近年ガスによる脱渋技術が発達し、棚持ち性が良くなったことから、大都市にも出荷されるようになりました。

◆紋平柿の特徴

 紋平柿の果実は230~280gで柿としてはやや大きく、果形は果頂部がやや尖った擬宝珠型で横断面は方円形です。

紋平柿(もんぺいがき)

 果皮色は黄橙から橙紅色で果粉はやや多めです。

 縦断面を見ると分かりやすいですが、こうあ(ヘタが付いている部分)の窪みが深く、ヘタ隙果が多い傾向があります。

紋平柿(もんぺいがき)の断面

 紋平柿は不完全渋柿なので、種子が入ると、その周囲は褐色のゴマが入り、その部分だけ渋みが幾分抜けますが、美味しく食べるために脱渋処理を行ってから出荷されます。

 以前はアルコールによる脱渋が行われていましたが、現在はガスによる脱渋が主流となっています。

 脱渋された紋平柿は舌触りがなめらかで甘味が強いのが特徴となっています。

◆実際に食べてみた紋平柿の食味

 撮影試食した紋平柿は石川県産の高松紋平柿で、果重240g足らずで紋平柿としては小ぶりのものです。

紋平柿(もんぺいがき) 紋平柿(もんぺいがき)の糖度

 紋平柿の形は果頂部から十字に特徴的な起伏があり、とても美しい形です。

 食感はやや粘質で硬さは感じず、舌触りも滑らかです。とても甘くジューシーで、計った糖度は17%前後でした。種子が1個入っているものがありましたが、それ以外は無核果でした。

●紋平柿の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 紋平柿は石川県、富山県、福井県、滋賀県に自生する在来種ですが、商業栽培している産地は石川県で、令和2年産特産果樹生産動態等調査によると石川県の29haのみとなっています。

 主な産地はかほく市で、出荷量はかほく市が60~70トンを出荷しているほか、起源説もある宝達志水町が5トンほどとなっています。

◆紋平柿の収穫時期と旬

 紋平柿の収穫は10月下旬頃から始まり、収穫後脱渋処理されてから出荷されます。

 市場に出回るのは10月末から12月上旬にかけてで、11月上旬から中旬にかけて最盛期となります。

品種 10月 11月 12月 1月
紋平柿                        

< 出 典 >

 ※ 「紋平(もんぺい) PV渋」カキ品種名鑑 遠藤融郎著 p.103,p.113

 ※ 「「高松紋平柿」更なるブランド化に向けた取組み~プレミアム規格の新設~ 」石川県央農林総合事務所

 ※ 「紋平柿発祥地「裏付け求む」 宝達志水町「紋平さ」屋号の野村家」中日新聞 2021年8月20日

 ※ 「紋平柿(もんベいがき)」はじまるまち 宝達志水町 商工観光課

 ※ 「どこか懐かしい甘みとなめらかな食感が魅力。前田家に献上され喜ばれた「高松紋平柿」」ISHIKAWA OODishbook いしかわ百万石食鑑 公益財団法人いしかわ農業総合支援機構

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