イヨカン(伊予柑):来歴や特徴と産地と旬

イヨカン/宮内伊予柑(みやうちいよかん)

●イヨカン(伊予柑/いよかん)の分類と特徴

◆イヨカンとは

分類:ムクロジ目 > ミカン科 > ミカン属 > イヨカン

学名:Citrus Iyo Group (1935)

 伊予柑は日本が原産とされる柑橘で、明治時代に山口県の萩市で発見されたと伝わっています。その昔、その当時の地名「穴門」にちなんで「穴門蜜柑」と呼ばれていたようです。しかし、現在では主に愛媛県で生産され、名前も現在の主な産地である伊予の国(愛媛県)から「伊代柑」と付けられたようです。

●伊予柑の主な品種

 イヨカンにはいくつかの品種があります。発見された原種の系統の他、松山市で発見された早生で豊産性の「宮内伊予柑」、表皮がなめらかで艶のある「大谷伊予柑」、大玉でどっしりとした果形の「勝山伊予柑」、ほとんど予措の必要性が無く早く出荷できる「沢田伊予柑」などがあります。ただ、現在広く流通している伊予柑の大半は「宮内伊予柑」です。

 また、「弥生紅(やよいべに)」という名称で出荷されるものがありますが、これは品種名ではなく、愛媛県で作られている「宮内伊予柑」を1月まで樹上で完熟させ、さらに3月まで専用の貯蔵施設でじっくりと熟成させ、センサー選果をして糖度11.5度以上のものに対してつけられるブランド商標です。

●伊予柑の特徴

 イヨカンの特徴はいくつかある品種によって多少違いはありますが、主要品種の皮は艶のある濃い橙色で、やや厚いのですが、比較的剥き易いです。果肉は柔らかく多汁で、甘味酸味ともバランスよく、濃厚な味わいです。香りも強く持っています。

イヨカン/宮内伊予柑(みやうちいよかん)

 果形はやや扁平なものが多いですが、腰高のものもみられます。果芯には空洞がみられ、種子は入りますが少ないです。

イヨカン/宮内伊予柑(みやうちいよかん) イヨカン/宮内伊予柑(みやうちいよかん)

 皮は手で剥けますが、ナイフで上部を切り落とし、縦に幾筋か切り込みを入れると剥きやすくなります。

 サジョウは柔らかくジューシーですがその割にしっかりとしており、ジョウノウ膜を剥いても房の形が綺麗に残ります。種子が少ないので、ジョウノウ膜をむいた房の状態で色々なスイーツにトッピングすることができます。

イヨカン/宮内伊予柑(みやうちいよかん)

■イヨカン(伊予柑/いよかん)の主な産地と旬

●伊予柑(いよかん)の全国の収穫量

 イヨカンの代表的な産地は名前の伊予の国、愛媛県です。全体の約9割を収穫しています。その他にも和歌山県や佐賀県、山口県などが生産しています。

イヨカン/宮内伊予柑(みやうちいよかん)

 2019年産の全国の収穫量は28,138トンとなっており、そのうちの25,640トン、全国の約91%を愛媛県が占めています。2010年は全国で53,886トン、2015年産の収穫量を見ると、全国で36,799トンだったので、伊予柑の収穫量は年々減ってきていることが解ります。

●イヨカンは冬が旬

 収穫は地方により早い所では11月下旬頃から始まりますが、本格的な旬は1月から2月までです。また、愛媛県では1月に収穫したものを3月まで貯蔵熟成させた高品質のものを「弥生紅(やよいべに)」というブランドで出荷しています。

旬のカレンダー 11月 12月 1月 2月 3月 4月
イヨカン                                  

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