椎茸(しいたけ)の選び方と保存方法や食べ方

原木栽培 どんこ椎茸

 シイタケ(椎茸/しいたけ)の選ぶ時のポイントから保存方法、冷凍保存、下拵えの方法や美味しい食べ方、主な料理とそのレシピなどを写真と共に紹介します。

●椎茸(しいたけ)の選び方と保存方法

◆シイタケを選ぶ時のポイント

シイタケ/椎茸/しいたけ

 シイタケを買う場合、なるべくカサが開ききっておらず厚みがあって丸っこい物を選びます。カサが開ききっている物は傷みも早く、プリッとした食感も弱いです。右の写真で見ると分かるように、右のもののほうが肉厚で食味がいいです。

 カサの内側にあるヒダが白く綺麗なものを選びます。赤味がかっているものは鮮度が落ちているもので、食感も風味も劣ります。

菌床栽培 椎茸(しいたけ)

 収穫したてのシイタケの表面は少ししっとりとしています。でも、シイタケは水分を嫌うので、袋やパックの中が蒸れて水滴が付いていたり、シイタケが濡れた感じになっている物は避けてください。すぐに傷み始めます。

◆冷蔵庫で保存する

原木栽培 どんこ椎茸

 シイタケは通常ビニールやポリの袋に入れているか、パックに詰められ、ラップをかけて販売されています。そのまま冷蔵庫に入れると中が蒸れてラップに水滴が付き、シイタケはこれを嫌います。濡れた所から傷み始めるので、長持ちさせたいなら、一旦全部出して、キッチンペーパーや新聞紙などでくるんでから袋に入れて冷蔵庫に入れましょう。

 さらにその時に、軸が上になるように置く方が日持ちが良くなります。これはヒダから胞子が落ちないようにするためです。胞子が落ちてしまうと傷みやすくなります。

 その状態でチルドに入れるとかなり日持ちさせることができます。間違っても水洗いしてから・・・などと考えないでください。水洗いすると傷みやすくなるばかりでなく、風味も流れてしまいます。

◆乾燥させて保存する

 大量にある場合は2~3日間天日干しすれば干しシイタケが出来上がります。干すのは昼間だけで、夜間は夜露があたるので屋内に入れるようにしてください。干す事で旨み成分や香りも強くなって美味しくなります。

◆冷凍保存によってより美味しくなる!?

 煮物やみじん切りにして詰め物にするなどに使うなら冷凍しても大丈夫です。その場合、あらかじめ使う状態に切ってから冷凍した方がすぐに使えて便利です。

 また、財団法人日本きのこセンターの研究によると、冷凍することにより旨味成分であるグルタミン酸はわずかに減ってしまうものの、旨味として感じるアスパラギン酸をはじめ、甘味として感じるアラニンのほか、ロイシンやフェニルアラニンなどは増え、更に冷凍することで味や香りが強くなる傾向があるとのことなので、冷凍保存することをためらう必要はなく、むしろ料理によってはお勧めしたいくらいです。

●椎茸(しいたけ)の美味しい食べ方と料理

◆調理のポイント

 シイタケそのものには毒はなく、食用キノコではありますが、生食は繊維質が多く胃腸の弱い方はお腹を壊す場合があるほか、体質によっては皮膚炎などを発症することもあるようなので、しっかりと中まで加熱調理して食べましょう。

 菌床栽培された椎茸は水洗いしないでください。洗うことで風味も一緒に洗い流されてしまいやすく、炒めたりする場合に良い状態に仕上がらなくなってしまいます。菌床栽培されたものは通常雑菌や虫が繁殖しないよう施設内の環境が管理されており、キノコは綺麗な状態でパック詰めされています。原木栽培のものでも目につく木くずなどを乾いた付近などで落とすくらいで大丈夫です。

◆シイタケの軸

 よくシイタケの軸を切り捨ててしまう人を見ます。勿体ないですよ。考えてみてください、エリンギや松茸など一般的なキノコはカサではなく軸を食べますよね。軸には旨みがたっぷり詰まっています。石づきの先の固い部分だけ切り落とし、柄の部分は手でほぐすか、包丁で斜めにスライスして使います。

◆生シイタケと干しシイタケ

 シイタケは生鮮品の物と干したものがあります。それぞれに合った食べ方があり、生の物は炒め物や揚げ物、煮物など色々なものに使えますが、干ししいたけは生とは違った独特の香気(レンチオニン)を発し、強い旨み(グアニル酸)が持ち味です。和食では干しシイタケで出汁を取る事もしばしばあり、とても特徴のある香りと濃厚な旨みが引き出せます。特に魚を使えない精進料理の世界では無くてはならない食材です。また、煮物にも使います。特に正月の煮しめには生よりも干したものを使われることが多いです。

◆シイタケやブナシメジなどのキノコをソテーする場合のポイント

 椎茸などのキノコ類をソテーしたとき、キノコが汗をかくように水分が出てカラッと仕上がらないことがありませんか?キノコ類をソテーするときは、フライパンを十分に熱したところに入れる事と、むやみに触ったり煽ったりせず、中火でキノコがフライパンと接している部分がきつね色になるまで我慢する事です。そうすれば香ばしく仕上がります。触り過ぎたり煽ったりすると温度が上がりきらずキノコから水分が出てきてカラッと仕上がりません。

シイタケやシメジなどのキノコのソテー

◆焼き物

 そのまま素焼きにしてショウガ醤油で食べると美味しい。焼くのはオーブンやオーブントースターの他、フライパンでも構いません。オーブンなどの場合は旨みを含んだ汁が垂れてしまわないよう、ヒダを上にして焼き上げます。フライパンの場合は先にヒダを下にしてさっと焦げ目をつけ、汁が出始める前に裏返してヒダの部分に汁がたまるように焼き上げます。

◆揚げ物

 パン粉を付けて丸ごとフライにすると美味しいです。ヒダの部分にひき肉などを詰めてから衣を付けて揚げても美味しいです。また天ぷらもお勧め。

◆炒め物

 炒める料理は和洋中問わず様々な料理に使えます。シンプルに四つ切にしてオリーブオイルとニンニク、パセリでさっと炒め仕上げにレモン汁を振った物は最高に美味しいです。野菜炒めの他、パスタの具にも良いですね。

◆煮物

煮しめ

 煮物や汁物に入れてもシイタケの旨みが溶けだし味に深みが出ます。写真はレンコンや四方竹、鶏肉などと共に煮しめにしたもの。

◆椎茸(しいたけ)の肉詰め

 肉厚で大きな椎茸を使い、軸を落としてから片栗粉をまぶし、内側にひき肉を詰めてフライパンで両面焼き上げたもの。

椎茸(しいたけ)の肉詰め

 椎茸が肉汁を吸ってプリッとした食感でとても美味しい。

◆鍋料理に椎茸(しいたけ)

 和洋中問わず、鍋料理には椎茸がつきものです。出汁は椎茸の出汁によってより美味しくなり、椎茸自体もプリッとして美味しいですよね。

鍋料理 椎茸(しいたけ)

 鍋に入れる椎茸は上面に十文字に飾り包丁を入れることが多いですね。こうすることで見た目が良くなるだけでなく、味も染みやすくなります。

◆椎茸(しいたけ)などキノコのマリネ

椎茸(しいたけ)などキノコのマリネ

 他のキノコ類と共に、サッと茹でるかオリーブ油またはバターでソテーし、ニンニクの香りを加え、塩胡椒とオリーブ油で和えてマリネにしておくと冷蔵庫で2~3日もちます。食べる際にレモンを絞るとさっぱりとした味わいになります。

 そのまま食べても美味しいですが、肉や魚料理の付け合わせにしたり、葉野菜のサラダに盛り付けたり、バケットをスライスしてニンニクを塗って焼いた上にのせて前菜や酒のつまみにするなど、色々な食べ方が楽しめます。

◆椎茸(しいたけ)とたもぎ茸の吸い物

椎茸(しいたけ)とたもぎ茸の吸い物

 シイタケとタモギタケを出汁でサッと煮て、春菊を加えた吸い物です。シイタケはこうした吸い物の他、味噌汁なども美味しいですね。

◆椎茸(しいたけ)とたもぎ茸の吸い物

トマト煮の椎茸

 シイタケをソテーし、トマトソースを合わせて、スライスしてソテーしたジャガイモの上に盛り付けたもの。

◆椎茸(しいたけ)の豚肉巻き

椎茸(しいたけ)の豚肉巻き

 肉厚の椎茸を半分に切り、豚バラ肉を巻いて酒・醤油、みりんで、塩でサッと煮たもの。

 豚肉とシイタケの相性がとても良く、メインの一品になります。

◆椎茸(しいたけ)を使った料理をレシピサイトで探す

 主な料理レシピサイトの椎茸(しいたけ)を使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。

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