シイタケ(椎茸/しいたけ):概要や特徴と産地と旬

菌床栽培 椎茸(しいたけ)

●椎茸(しいたけ)の概要と特徴

◆シイタケとは

分類: ハラタケモク目 > ツキヨタケ科(またはキシメジ科) > シイタケ属 

学名:Lentinula edodes (Berk.) Pegler

英名:Shiitake、shiitake mushroom

中国名:香菇

和名:椎茸/しいたけ

 シイタケはツキヨタケ科(またはキシメジ科)シイタケ属に分類されるキノコで、原産地は中国や日本を含むアジアと考えられています。分布は日本全国各地から、朝鮮半島、中国、台湾、東南アジア各地からニュージーランドに至る西部環太平洋の温帯から亜熱帯域となっています。

 名前の由来通りシイの木の枯れ木に生えるキノコですが、シイ以外にもクヌギやナラ、カシなどの落葉広葉樹にも発生します。全国の森林に自生し、古くから食材として採取されてきましたが、日本では江戸時代には既に栽培も始まっていたようで、食用キノコの人工栽培としては最初のキノコでもあります。現在では栽培技術が発達し、流通している物はほぼすべて栽培物です。栽培にも原木を使い自然に近い状態で作る原木栽培物と、おがくずなどを固めて使う菌床栽培物があります。

◆椎茸(しいたけ)の特徴

 シイタケは傘の大きさが4~15cmになり、表面の色は淡褐色~黒褐色で、傘の内側は白いヒダが放射状に並んでします。傘の部分の肉質は緻密で歯切れが良く、軸の部分は縦に強い繊維質が走っています。

菌床栽培 椎茸(しいたけ)の断面

◆「冬菇」「冬子」「どんこ」とは

 露地栽培のシイタケは春と秋に発生しますが、寒い時期に発生するものは大きくなるまでにじっくりと時間がかかり、肉厚で傘の色が薄く、表面にひび割れが入るものが多いです。一方、暖かい時期のものは比較的色が濃く、表面は滑らかな物が多いです。

原木栽培 どんこ椎茸

 「冬菇/冬子(どんこ)」とは、この寒い時期に発生し、傘が開ききる前の丸みのある状態で収穫し、それを天日干しした干し椎茸を指します。一方、傘が開いた状態で収穫され干し椎茸に加工されたものは「香信(こうしん)」と呼ばれます。

 ただ、近頃は「冬子」に加工されるような、傘の表面にひび割れができ、開ききる前の肉厚な生シイタケも「どんこ」という名称で販売されているのをよく目にします。この生の「どんこ」にも原木栽培栽培されたものだけでなく、菌床栽培物があります。

◆干しシイタケ

 シイタケは干した物も古くから親しまれています。生の物とはまた違った風味と凝縮された旨みを楽しめます。シイタケは生でもグルタミン酸などの旨み成分を沢山含んでいますが、干す事で酵素が働き、更に増します。

◆家庭でも栽培できる

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 シイタケは家庭でも栽培することができます。原木栽培には裏庭にほだ木を並べて収穫する方法のほか、屋内で栽培する方法もあります。

 また、一般的なナラやクヌギに限らず、どんな木でも栽培できるキットや、菌床栽培のキットなども発売されています。

●椎茸(しいたけ)の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 椎茸は日本で最も一般に広く親しまれているキノコの一つで、エノキ、ブナシメジに次いで多く生産されています。2020(令和4)年産の生椎茸は全国で6万9,532トンで、そのうち93.8%ほどが菌床栽培物で、原木栽培されたものは6.2%ほどとなっています。

生シイタケの全国の生産量

 最も生産量が多いのは徳島県、次いで岩手県ですが、原木栽培だけで見ると静岡県や群馬県、大分県の順となっています。

 一方、乾燥シイタケは全国で2,034トン(乾燥重量)ほどで、主な産地は大分県、宮崎県、熊本県で、この九州3県で全国の66%を占めています。

乾燥シイタケ(干し椎茸)の全国の生産量

 

◆椎茸(しいたけ)の収穫時期と旬

 天然の椎茸は4月から5月の春と10月から11月ごろ秋の年に2回、シイやクヌギ、コナラなどの広葉樹の倒木や切り株に発生します。

 施設内で栽培収穫される菌床栽培物は通年安定して出荷されており、特に旬はありませんが、露地物は天然物と同じく春と秋が収穫盛期となります。ただ、この時期しか獲れない訳ではなく、九州辺りでは寒い冬の間も収穫できます。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
天然物と露地物                        
ハウスや施設栽培物