とうがらし(唐辛子/トウガラシ)の主な有効成分とその効用や栄養成分量などを日本食品標準成分表2020年版(八訂)をもとに紹介します。

●とうがらし(唐辛子)に含まれる主な有効成分と働き

◆カプサイシン

辛い唐辛子

 カプサイシンは唐辛子に含まれる主要な辛さ成分で、摂取すると内臓感覚神経に働き、アドレナリンの分泌を活発にさせ、発汗及び強心作用を促す働きをするとされています。唐辛子を食べると体が燃えるような感じがするのはこのためです。

◆食欲増進や消化促進

 唐辛子の刺激は胃腸をも刺激し、消化液の分泌を促すことになり消化を進めます。また、食欲を増進させる働きもあるとされます。確かに食欲が落ちる夏など、唐辛子を利かせた辛い物は食べやすいですよね。

◆とうがらしにはビタミンCが多く含まれています

 生のとうがらしにはビタミンCが沢山含まれています。ビタミンCには風邪の予防や疲労の回復、肌荒れなどに効果があります。

◆とうがらしはカロテンが豊富

辛い唐辛子

 トウガラシにはβカロテンもたっぷり含まれており、その量は生の状態で100g中なんと7700マイクログラムもあります。また、乾燥させたものでは同17000マイクログラムにもなります。ただ、乾燥させたものを大量に食べるということはあまり考えられないですね。

 βカロテンは抗発ガン作用や免疫賦活作用で知られていますが、その他にも体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、そして、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあるといわれています。

◆ビタミンEによる強い抗酸化作用

 とうがらしにはβカロテンと並び強い抗酸化作用をもつビタミンEが沢山含まれています。これらは動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に良いだけでなく、美肌を保つためにも大切な栄養素です。とは言いつつ、辛いトウガラシは食べ過ぎると胃腸に刺激が強すぎるので、とりすぎないよう注意しましょう。

●日本食品標準成分表2020年版(八訂)でみる栄養成分量

■生のとうがらし 可食部100gあたりの成分

 下の表に含まれる成分の量を載せています。それぞれの栄養成分の働きはその成分をクリックすれば各栄養素のページに移ります。

エネルギー 水分 たんぱく質 脂質 炭水化物 灰分 飽和脂肪酸 不飽和脂肪酸 コレステロール 食物繊維
72
kcal
75.0
g
3.9
g
3.4
g
16.3
g
1.4
g
(0.39)
g
(0.81)
g
(0) 10.3
g
ビタミン
カロテン当量 E K B1 B2 ナイアシン B6 葉酸 パントテン酸 C
7700
μg
11.0
mg
27
μg
0.14
mg
0..36
mg
3.7
mg
1.0
mg
41
μg
0.95
mg
120
mg
無機質
ナトリウム カリウム カルシウム マグネシウム リン
6mg 760mg 20mg 42mg 71mg 2.0mg

日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

■乾燥させたとうがらし 可食部100gあたりの成分

 下の表に含まれる成分の量を載せています。それぞれの栄養成分の働きはその成分をクリックすれば各栄養素のページに移ります。

エネルギー 水分 たんぱく質 脂質 炭水化物 灰分 飽和脂肪酸 不飽和脂肪酸 コレステロール 食物繊維
270
kcal
8.8
g
14.7
g
12.0
g
58.4
g
6.1
g
(1.37)
g
(2.86)
g

(0)

46.4
g
ビタミン
カロテン当量 E K B1 B2 ナイアシン B6 葉酸 パントテン酸 C
17000
μg
37.4
mg
58
μg
0.50
mg
1.40
mg
14.0
mg
3.81
mg
30
μg
3.61
mg
1
mg
無機質
ナトリウム カリウム カルシウム マグネシウム リン
17mg 2800mg 74mg 190mg 260mg 6.8mg

日本食品標準成分表2020年版(八訂)より